第7話

しばらく歩いた後、電車に乗る前に駅の近くのコンビニエンスストアに寄った。

入り口付近では嫌々そうな顔をしながらも必死に大声で客寄せをしているトナカイの服を着た男と、この季節には寒すぎるであろう短すぎるスカートを履いたサンタ姿の女がケーキを売っていた。


「寒そう…エアロプレスでもあんなイベントあったらどうしてた?」


「そんなの耐えれないですよ…ただでさえ厄介な人が多かったのに…」


「言えてる言えてる。」


2人して笑いながら店内に入る。

暖房がきいていて、少し暖をとっている人もいた。暖かい。


「どれにしようかなぁ。勝也くんはどれがいい?」


「うーん。」


店内のドリンクを物色していると残り1つだけ残っていた、新発売!と赤色と黄色で書かれたハニーミルクラテを見つけた。


「私これにする!

俺これにします!」


思わず顔を見合わせて笑ってしまう。

こんな些細な事で笑いあえるなんて。俺ってつくづく幸せ者だと思う。


「鈴音さん、どうぞ!」


「いいよいいよ。私1回だけ飲んだことあるし。でも…一口だけ頂戴?って言ったら怒る?」


お願いっと言って手を合わせる鈴音さん。

自然と上目遣いになっていてドキドキする。


「もちろんです!一口と言わず何口でも!いや、全部飲んでいただいても大丈夫です!」


早口でそういうと鈴音さんはまた、ふふふ と笑って、


「勝也くんのそういうところ。私 好きだな。」



と軽く、軽く、軽く言ったのだった。

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夜空が見えたあの場所で。僕と先輩。 コユキ @koyukidarumachan

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