第3話「ルビコン川」

 「NOノー RETURNリターン POINTポイントえたんだ!」


彼はそう言ったが私は本物のプリンセスになりたかた訳ではなかった、児童劇団に居た私はプリンセスの役が欲しかったっただけだった。


「いいかオマエは六稜郭ろくりょうかくパークプリンセスなんだ」

パーク内、いや周辺の町中に彼女の写真がプリンセスとして飾られていた。


「騎士団長、任期は1年で終わりだよね?」

姫は唯一の心のり所、六稜郭パークプリンセスの任期について彼にうた。


「終わるわけ無いでしょ姫」

騎士団長は一蹴しゅうした。


「でも私契約書サインしたよ」

姫は食い下がる。


「姫、ここは日本ではないのです、労働基準法も無ければ基本的人権も無い異世界なのです、当然契約も無効です♥️」

騎士団長は優しい顔で怖い事をはなった。


実際問題、周辺諸国にはこの姫君の写真から作ったとみられる人物画が出回っており、このプリンセスコンテスト優勝者はすでにこの国の元首げんしゅとして認知されてしまっていた。


「もう、取り返しがつかないの?」

姫はすがるような目で騎士団長を見つめたが騎士団長は首を横に振りその姫君に言った。


「違います姫、この取り返しがつかないと思える異世界の現実に姫とここに居るみんなで取り返しをつけるのです」


この時から姫が姫の顔をするようになった。



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みによむ1/2・異世界テーマパークのバイト姫 山岡咲美 @sakumi

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