第7話 おかえし

 ブージは腕を無くしたことと、あまりの驚愕にバランスを失い膝から崩れ落ちた。

 あまりの激痛と脳内物質によりブージの感覚は完全にマヒしていた。

「んなぁ……なんでぇ………?おまっ…お前ェ………?」

「ああ、これかい?まあ僕の研究の賜物だよ」

 アレクサンダーは風穴のあいた自分の額を指さしながら、まるで友人との立ち話のような気軽さでブージに向かって話しかけた。

 確かに銃創は残っているはずなのにダメージを負っているようには微塵も見えない。

 この腕研究してみるか、そんなことをアレクサンダーは呟きながらブージの両腕だった物をもてあそんでいる。

 こいつはヤバすぎる、そう直感したブージはこの場からの逃走手段を考え始めるがあまりに多い出血と自分の理解を超えた異常事態から全く頭がまわらない。

 視界が白黒にチカチカと点滅し焦点も定まらない。

「まあ、いいや。そろそろ僕も遊びに行く時間だからぁ」

 揺れる視界の中でアレクサンダーはブージの片腕だった物をやり投げの要領でブージに向かって構える。

「なぁ……ぁ…なにを…………?」

「お・か・え・し・ぃ」

 ニンマリとほほ笑んだアレクサンダーは自らの腕を大きく振り切った。

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魔銃戦線 ちょこさんど @tyolosando

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