山西ファイナル文庫ネクスト『バカとマヌケ~偏差値2ミリの頭脳戦~』
「後輩くーん」
「何ですか先輩」
「うお、今日は反応早いな。どうした? 遂にお姉様に優しくする気になったかね?」
「非道の限りを尽くしたいのは山々なんですが、FGOが今ボックスガチャ期間なので周回しすぎて退屈なんですよ」
「優しい後輩君、ちゅき♡」
「帰ります」
「テメェ!! ガチで帰ろうとしてんじゃねえぞ!! 帰らないで!! ちょ、ほんとに! 帰られたら私、寂しいんだからあ……!」
「……」
「おや? なんか女の顔を見せたら思いとどまってくれた。ちょろいやん笑」
「殺します」
「怖ぇんだよな~」
山西ファイナル文庫ネクスト『バカとマヌケ~偏差値2ミリの頭脳戦~』
~あらすじ~
偏差値2の私立
頭の悪さが、ここでは強さ! 〝愚能力〟の使い手たちによる最もバカな頭脳戦、開幕!
「というラノベを紹介したいんだけれどもね」
「あらすじからしてすごいですね」
「ゲテモノっぽいラノベだけど去年の『このライトノベルがやばい!』では六位に選ばれてたんだよ。だから読んでみたんだけど、これがさ~、邪道の皮を被った王道っていうかさ。序盤は笑えるし、中盤はドキドキするし、終盤は熱いしで、すごい満足感ある読書体験だったんだよね。今のところ五巻まで出てるんだけど、今回は後輩君のために一巻のレビューをしていくぜ」
「もっとバカっぽく紹介してください」
「あぴゃぴゃピョぴゃ! ぴゃうぴゃう!」
「そこまでしろとは言ってない」
「あ、今のは天賽高校で〝ボケ〟の異名を持つキューカンバー新倉の真似ね」
「本物かと思いました」
「股間を殴るぞ。このラノベが凄いのって、今言った〝ボケ〟とか、あらすじに出てきた煉獄丸とか卍慈郎とかアイとかそういう、キャラクターたちの個性がめちゃめちゃに強烈だっていうことなんだよね。個人的な推しは、天賽高校四天王の一角で、〝しょうがくいちねんせい〟の異名を持つ『森山みゅう』っていう女の子でさ~かわいいのよ~。背が高くて、美人で、モデルさんみたいな体型なのに国語力が小一レベル。セリフは基本ひらがなで表現されてる。当然、四天王だから、愚能力もめたゃめたゃ強い」
「さっきから気になってるんですけど、愚能力? って何ですか?」
「バカな奴だけが使える超能力の一種だね。頭が悪ければ悪いほど強くなる。だから天賽高校では、頭の悪さが地位と直結するわけ」
「異能バトルものなんですね」
「左様。第一巻の中盤までは煉獄丸と四天王との異能バトルを中心に描いてる。〝バカ〟の煉獄丸と、〝マヌケ〟の卍慈郎、このふたりのバトルが主に物語を動かしていく感じだね。ふたりは一巻時点では三回戦うんだけど、一回目はあらすじにも書いてあったとおり、卍慈郎の圧勝。煉獄丸は愚能のことをまだ知らなかったから当然といえば当然なんだけどね。で、二回目は煉獄丸が地獄の特訓ののちに【
「けれども?」
「そこに〝偏差値ゼロ〟の少女・アイが割って入る。このカラーページの女の子ね」
「ジト目で、目に光がなくて、銀髪ロングで……なんかこのキャラだけ制服が真っ黒ですね。フリルもついてる」
「天賽高校に入学して洗礼を受けて、右も左もわからなかった煉獄丸を導いたのがアイなんだけど、正体不明の謎の存在だったんだよね。煉獄丸はバカだから、『オレに手を貸してくれるってことは、いいヤツに決まってるぜー!』みたいなノリで全幅の信頼を置いていた。卍慈郎との戦いにアイが介入してきた時も、助けに来てくれたんだって最初は思ったんだよ」
「実は敵だったんですか?」
「フフン……」
「気になるところで解説を止められるのすごくウザいんですが」
「ひとつ言えるのはね? アイちゃんの愚能【
「先輩は何でも食べますね」
「とにかく熱いバディ物語なんですよ。燃え上がりながら崩壊していく校舎の屋上で、アイと対峙するシーンがあるんだけど、煉獄丸と卍慈郎は、こんなセリフとともに決戦の火蓋を切る。『オレはバカだからよー、難しいことはわかんねえ。九九も、分数の計算も、筆算のやり方だってわかんねえよ。だけどよ、これだけは計算できるぜ……』『ボクとコイツの、ふたりの力を合わせれば」『バカとマヌケ、ふたつの力を合わせればッ!』『『1+1=∞だああああああッッ!!』』…………この、何言ってんのかサッパリわかんないけど勢いで押し切る感じが最高なのよね~! 一巻も最高だけど、とりあえず『偏差値マイナス編』が始動する二巻まで読んでくれ。そこまで読めば、必ずハマる」
「ハマんなかったら賠償金くれたりしますか?」
「もちろん! 身体で払うよ!」
「早速脱ぎ始めるな」
「着衣が好みか~」
「死んでください」
「じゃあ私のどこが好みなんだよアァン!?」
「犬の鳴き真似してる先輩なら好きですよ」
「わふん! くぅ~ん♪」
「(心底気怠そうな溜息)」
「なにこのプレイ興奮してきたワン」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます