女装忍者で異世界武双

星住

プロローグ

 人は良く不幸だと乃賜る。

 まあ、実際不幸な人間は不幸なのだからそう言うのも当たり前だろう。


 だが、その不幸にも人によって尺度や条件、規模などは千差万別だ。


 彼女に振られた――不幸だ。

 財布を落とした――不幸だ。

 貧乏な家に生まれた――不幸だ。

 犬のうんこ踏んだ――不幸だ。

 事故に巻き込まれた――不幸だ。


 と、まあ、それぞれの視野から見て、感じて、思いを巡らせた不幸があるだろう。


 忍者の家に生まれた――不幸だ。


 そう感じる人類は結構少ない筈だ。


 この俺、霞ヶ浦勇夜の不幸はまさにそれ一つに尽きる。


 忍者と言う呼び名は戦国時代辺りからスタンダードになっていったが、当時はどちらかと言うと諜報活動の出来る傭兵のようなポジションだったらしい。


 傭兵集団“忍者”を、どこぞの大名が金で雇って使役していたと言うイメージの方が分かりやすいだろう。


 要するに、忍者は金で雇われて働く派遣社員のようなものだ。


 



 

 

 

 


 

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女装忍者で異世界武双 星住 @hoshizumi

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