本当につらい、しかし"希望"のある物語

主人公は、ネットカフェ難民から生活困窮者自立支援制度によってパン工場の正社員となった青年
仕事は大変で、給料は安く、同僚と愚痴を言い合いながらも、それなりに過ごしていた
しかし、彼の過去には、彼自身も知らない闇が隠れていて──という内容の本作品、全編通して滲むリアリティと、それに裏打ちされた人生の無常が見事に表現されている
それが、あまりにも、つらい
だが、彼の人生は過酷ばかりではない
彼が築き上げてきた人間関係が、最後に彼を救ってくれる
ネタバレは避けるが、そのラストに、読者としても本当に救われたような気持ちになった
そう長い作品ではない
是非一読して、この感動を味わってほしい

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