第2話「蘇ったジミー」

ある 夜中の 露の 中、



一筋の 天水が 空から ゆっくりと



降りて来て、



ジミーは 蘇った。



ジミーは 墓場の 棺を 黄色い虫に ほじくって 開けてもらい、



ジミーは 墓場から 抜け出た・・・・・。



ジミーは 墓の 傍らに ある、 娘が くれた パンジーの、



紫と 白を 胸に 当てると



ジミーの 体は 前よりも 大きくなった・・・。



いつものように 右手に 真っ黒いペンと、



ナイフの様に 尖った 今は 既に 固まった 筆を、



持っていた・・・。



左手には ドローイング帳。



土が あちこち 付いている。



ジミーは あの 娘の 母を



思い出し、


薔薇と 母を ドローイング帳に 描いた。



ペンキの 代わりに 土と 夜露を



手で 塗った・・・。 絵を あの娘の 母の



墓石に そっと 置き、



場を



離れた・・・。



体は オレンジ色に



輝いて いた・・・。



彼は 右手に 指輪を はめて いた・・。



銀の 蠍の 図柄が 彫ってあった・・・。


プラチナと



純銀で 出来て いた・・・。



彼は 事故の 死後、



天空を さまよい、


ジミーの 頭の おかしくなった あの 女に 会い、



天空で 挙式した。



パンジーの 娘の 母は その 光景を 更に 上の 階段から



天空の ワインを 飲みながら 見ていた。



二人は、



天空で お互い 最高神の 前で、



もう一度 誓い、



ジミーは この世に 戻って 来た。



ジミーの 頭が おかしくなった、


天空で 挙式した、女性、アンナは



天空の 玉座に 座って いた。



アンナは 『玉座 より この世を 見てる』と



言付けた。



国道9号線に フラフラと 出ると、



ペシャンコに なったはずの 赤い キャデラックが キーが 差し込まれたまま


止まって いた。



ジミーは、 乗り込み



自由の 女神の 方向に 向かった。



そこには あの パンジーの 娘と 灰色の 男が、



小さな 一室で 暮らして いた。



ジミーは、 その一室を 三人で 住み、



部屋の 黄色い チーズを 食べる



ネズミを 描いた。



遠く 東の方では 銃撃戦が 続いて いた。



何故か 遠く 東の方の 銃撃戦が 止み、



その戦の 土地に 花が 咲いた。



薔薇の 花で あった。



人々は 薔薇を 摘み ブーケとして 飾り



挙式を 始めた。



違う 国同士の 挙式で あった。



アメリカ国務省は



この 変な 人々と 自然現象に ついて、



調査を 始めた。



あらゆる ハイテクエネルギーと テクノロジーを 使い・・・。



そう ジミーを 突き止めた。





ジミーは、 絵を 描き 続けて いた。



空に 浮かぶ 雲や 土に 生える 草、



昆虫や 動物、

目に 見えるものや 頭に 浮かぶ ものを、



全て 描いて いった・・・・・。



その頃 銃撃戦は



ソリアと言う、

北東部の 混乱地区 だけに なっていた。



アメリカ国務省や 世界各地の 軍関係者は、




ジミーの 素性を 知らず、

火で 炙り あの世に 葬った。



パンジーの 娘と 灰色の 男は



部屋から ジミーの 絵を 次々 取り出し、



塩酸を かけて 焼いた。



空気反応が 起こったのか・・・・・、



その煙は、

世界の ありとあらゆる 箇所で、

台風やら フェーン現象を 引き起こし、

各地を 襲った。






国務省は ホワイトハウスごと、



無くなって いた。



世界各地では 戦争どころでは 無くなって いた。








あらゆる 国々の、

崩壊が 始まった・・・。



自由の 女神の 近くの 一室に 住んでいた、

あの 娘と 灰色の 男は



何事も無く、



無事であった・・・。






ジミーは、最高神と アンナと あの母親と 一緒に、



天空から 下の 世界を 眺め、

ブランデーやら、

天女の 舞う、



色とりどりの 花の 中で、



酒を 飲んでいた・・・。



世界の 国々は 戦を しない 国々が 誕生していた。



アメリカ国務省の 高官や 世界各地の 軍関係者は、

自殺した。



しかし 天空には 入れず、

地獄の 門番の 前で 頭を 下げ、

万年と言う 麻酔薬を、



体中に 打ち込まれ、


眠らされた 挙げ句、

パンドラの箱を、

開けた、



後の様な、




虫や 病魔が 襲う 空想の 世界に



連行された。






世界の 各地の 戦や 変な 天候は おさまり、



人々は 誓い合った。



『愛』と言う、産物を・・・・・。





ジミーは、



アンナに、



『これで 良かったのか・・・・・』



と 問い、



最高神の、 許しを 得て、



金色の 扉へと 向かい、



アンナと 共に 暮らした。



娘は 灰色の 男と



子供を もうけ、



子孫は、



繁栄していった。



黄金時代の 到来である。



この星は、

平和が、



一万年、



続いた。 end.









  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

『スラム街のジミー』 矢田誠一 @yattyann

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る