『スラム街のジミー』

矢田誠一

第1話

場所は、


マンハッタン・ ウォール街 の スラム・・・・・。その町の 片隅に、



ジミーは 居た。 ジミーは、 小さな 白い 壁の



一軒家に 住んでいる。 叔母から、 譲り受けた 物だ・・・・・・・。


ジミーは、普段は 特に 働いて 無い。時折、 金持ちの アパートや 家に 押し入り、

金品を 強奪して、 生きている。





昔、ジミーには、 惚れた、 女性が いた。



彼女が あの世に 行って しまって、





ジミーは、 頭が おかしく なった。 ジミーは、 奪って来た 金品の 中から、



食べ物と 麻薬と 酒を



買う・・・・・。 しかし、 ジミーは、 捕まらない。




ジミーは、強奪に 押し入った 帰り、



その建物に キッスを 贈る。 何故か、 それが 強奪犯の 足取りを



消し去って しまうのだ・・・・・・。



ジミーには、 楽しい事が、 あった。



町のペンキ屋で、盗んで来た、ペンキと 木の 棒で、 マンハッタンの、 ウォール街の 街に、 絵を 描くこと だった。



酒を 片手に、 ペンキを 側に置き、



鼻歌を 歌いながら 描く。

ジミーは、 町の 人気者・・・・・。



彼の絵は 人を 楽しませてくれる。


窃盗の 事は 言わないように、

している。



ジミーは、ペンキ屋には、



キッスは 送らない事に している。



何時か、・・・・・ペンキ屋に、

俺の絵を

贈ってやると、

おもって・・・・・・・。



ペンキ屋は マンハッタン、 ウォール街の スラムから ほんの遠く 離れた、



川の 側に ある。

工場長は

良く 働いている。



ジミーの絵の 道具が 盗んで 来た 物である事は、



社長は、 問わない・・・。





ジミーが、街の 人や、 動物までも、

その絵で、

楽しませていることを、

知っているから・・・・・・。



ある日、

ジミーの 小さな家に、

市長が やって来た。



小さな テレビと 皮で出来た 黒い ベットの 様な

椅子に、



座って 酒を かっ喰らって いる、

ジミーの 元に・・・・・



サンタの 時期が、 側まで 来ていた。



ドアを 開け、 市長は 言い放った・・・。



「いい時期だ。

君の絵は、 人々を

楽しませて くれる・・・。

この寒い

冬に

最高の

赤いサンタの 絵を

街の

灰色の 壁に 描いてくれないか?」

と・・・



市長は

言った。

「報奨金を

出す。・・・。

一千万ドルだ。」




ジミーは、 目を閉じたまま

聞かぬ様に していた。



ジミーは、 金品を 奪って 来るので

全く 金に 興味が 無い。



市長は 頭を 下げた。

「頼む。

町の子を 今年 楽しませたいんだ・・・・。」



ジミーは 片目を 開け 少し 酒を 飲み、



言った。

「百万で いい・・・・・。」



市長は

ニコリと 笑い、

「サンタの日までに 描いてくれ・・・・。」

と言った。






今は 十一月。



ジミーは、マンハッタンの ウォール街の スラムの 町から、少し 離れた、

ペンキ屋まで ハイヤーに 乗り、

ペンキを 取って来た。

ハイヤーの 運転席の 者に 「いつか・・・・ 払う」 と言って・・・・・。




ジミーは、一ヶ月の 間、

パンを 囓りながら、牛乳を 片手に、 棒で 描いた・・・。



十二月二十三日、



絵は、 出来た。



二十四日の 四時頃、



市長は、


ジミーを、訪れ、


百万ドル、 渡した・・・。


ジミーは、酒場の、 ジミーが、少し 惚れてる女に 会い、



百万ドルを 手渡し、 「楽しもう・・・・・。」



と、 言った。



女には、 一人の 娘が 居た。 ジミーは 娘と 仲が 良くなり、



時折、 女の子の 絵を 描いていた・・・・・。



女の子は、 それが 本当に 嬉しくて たまらなく、

ジミーに、 良く、 町の花壇に 咲いてある パンジーの



花を 一つ、 摘んで、



ジミーに 手渡した・・・・・。



ジミーは、 白い壁の 家に、

酒を 飲み終わった 瓶に、 水を、 たっぷり 入れ、



女の子の パンジーの 花を 飾った・・・・・。




そして、



ジミーも 又、 そのパンジーの 花を 大事に、 クロッキー帳に、

描いていた。



女は、

働いていた。



ジミーと 一緒に 生活を



始めたものの、・・・・・・



働いていた。



ジミーは、 いつも通り、 金持ちの 家に、 強盗に 入り、



金品を 奪い、



生活 していた。



ある日、マンハッタンから 遠く 離れた、 デトロイトから、 ジミーの 元に、 知らせが、 届いた。



市に、



ジミーの 絵を 描いて欲しい と言う



申し出 だった。



ジミーは、 喜んで、 デトロイトの 市まで 列車に、



乗り継ぎ、



出掛けた。


マンハッタンから、 少し 離れた、 ペンキ屋の



ペンキを、

持って・・・・・・・。



ジミーは、 市の いたる所に、 女の子が くれた 色取り取りの パンジーを、



描き、 市より 報奨金として



一千万ドル 懐に、



収めた。



その金の、



半分で、 高級な キャデラックの、 赤を 買い、



三日後 事故で







逝ってしまった・・・・・。



女は、



残りの



五百万と、



パンジーの 女の子を 連れ、 ジミーの



家を、 出た。



女は、 酒が



元で

逝ってしまった。






女の子は 18になり、



パンジーの、 ジミーが 描いて くれた 絵を




大切に 心に


しまっておいた。



女の子の 元に、

サンフランシスコで 出会った 街の 男が、

側に 来ていた。



「オレは ニュオーリンズの 街の 学校で、

美術を 学んだ・・・・。

今じゃあ、 どこの町でも、

売れっ子さ。 」


パンジーの 女の子は 顔を、


見ようとも しなかった・・・。


ほどなくして、 パンジーの 女の子は、



マンハッタンの ウォール街の、 スラムに



戻り、



墓の 前に立ち、



いつも通り、 パンジーの花と 薔薇の 花を




添えた。



薔薇の



花束は 母親に

贈るもの だった・・・・・。



ジミーの 墓の 汚れた

前に 来ると、

酒を 抱えた




灰色の



男が、

じっと、

女の子を 見た。

そして、

「ハニー

君の

肖像画が 描きたい・・・・・。」




パンジーの 女の子は、 ニコリと 笑顔を、

見せて、



その男に、



キッスの 入った ラブレターと、

霞草の

花を



そっと、

渡した。

二人は、

ウォール街の、 小さな



教会で



ジミーの 描いた



絵を 手に、

神父の 前で、 誓い、





幸せに 暮らした・・・・・・・。


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