BATTLE・HEAD・WITH・POSTⅯAN

低迷アクション

第1話

BATTLE・HEAD・WITH・POSTMAN

(バトルヘッドウィズポストマン)


 “タイラント507”は元々、局地戦闘用に開発された

BATTLE・HEAD

(バトル・ヘッド:頭部武器搭載型可変無人戦車)である。


核兵器が政治的、国家戦略として使用された際に、人間が入れない汚染地帯での戦闘を目的に開発された。両腕に重火器を搭載し、頭部パーツにまで、武器を搭載した所から上記の愛称で呼ばれる。507機が製造され、その一機である彼も世界各地で戦った。


やがて、政治顧問として各国政府に配備された人口知能“クロノスAOJ”が世界を掌握し、“人口淘汰政策”と称した“人間狩り”を始めてから10年、抵抗勢力もほとんど絶えた世界においては、無人兵器同士が戦う必要も無く、彼の任務はもっぱら、人間の捕獲が主となった。


10年目の任務地は極東の島国、日本…人口を減らすため、何発も撃ち込まれた核ミサイルのため、ひしゃげたビル群と動物、人間のしゃれこうべをキャタピラで踏みつぶし、生き残りを探す彼は“妙な人間”を見つける。


赤いバイクに乗る、その人間は、こちらの接近に気が付き、慌てるが、507から逃れる事は出来ない。しかし、何分初めて見る種類の人間だったので、彼は内部に搭載された


AIナビを呼び出した。


「“バビィ”あれは何だ?」


「バイクの色に、あの制服、恐らく郵便配達の職員、いえ、今は元職員ですね。そう言えば、人口淘汰の際、事実上、全ての通信機器が我々の掌握、監視下に置かれた人間達が“手紙”による通信手段を再燃させ、我々への対抗手段の一つとして、用いたとあります。」


507にとって、手紙と言う言葉は初耳だった。元々、戦闘用のOSで動く体…理解するのが無理というものだ。

だから、彼は手順通りの狩りを始める。無抵抗、もしくは逃亡の目標に対しては左装甲搭載の7・62ミリ機銃で、威嚇し、右装甲に増載したグレネードネットで、捕らえるのが基本手順だ。


自身の起動意思と共に聞きなれた銃声が響き、肩口から覗く機銃口から火花が数回瞬く。


目標のバイクは銃声の前から、こちらに気付き、スピードを上げたが、頭の先を飛ぶ火線に驚き、横倒しになった。それを逃さない507から発射されたネットにバイクごと拘束された。


移動スピードを落とし、ネットに入った元職員の横を通過する。後は回収用の飛行ドローンに任せておけばいい。

507の策敵センサーは、瓦礫の中に潜む複数の熱源を既に探知していた。


「あの~」


情けない声の方向に(この表現の意味はバビィが教えてくれた)

外部カメラを向けると、ネットの中の元郵便屋が(こっちの方がしっくりくると彼は感じたので、以降の呼称は、これを用いる。)こちらを見つめていた。


無視して、通過する事に決める。これまで何度もあったやりとり、懇願や怒りの声は507にとって、何の意味も持たない。そのまま進む自身の体が転がるバイクを轢き潰そうとした時、


「あああああーー!!」


と言う郵便屋の想定外すぎる大絶叫に、思わず急ブレーキをかけ、


「何だ?」


と訪ね返していた。それに対し、相手は自身も驚いたという顔で、息を整え、整え、ゆっくりと喋りだす。


「すいません、えっ、ええと、ロ、ロボットさん?…そのバイクを潰すのは勘弁してくれませんか?」


相手の表情や発汗量、体温からは緊急性が伝わってくる。バビィに指示を出し、バイク積載部分をスキャンしてもらうが、こちらに対し、脅威は皆無。

紙の束が詰まっているだけだ。いや、しかし、人間の事だ。何を考えるか、わかったものではない。


「507、あれらの紙は全て郵便物であり、そのほとんどが手紙です。蓋を開け、中身を出せば、数秒で私が解析しますよ。」


こちらの考えを察したバビィの提案に乗ることにする。多目的アームを用い、すばやく蓋をこじ開け、中身を地面にぶちまけた。何も起きない、ロボットを腐食させるガスとか、大気中に散布される対機械用の破壊ナノマシンは出てこない。やはり、何の問題はなかった。バビィからも異常なしの報告が入ってくる。


「あの~、ロボットさん?すいません…もしよろしかったら、その郵便物をですね。この辺りに隠れている方達、もう、センサーで感知しているんでしょ?私はもう、配れないので、お願いします。」


網の中から郵便屋が、非常に恐縮と言った感じで声をかけてきた。バビィに聞けば、それが彼の仕事だと言う。さっぱり理解できなかったが、


回収ドローンが来る時間と、最早、人が仕事をする必要がなく、野生動物のように、ただ、狩られるだけの彼等が何故?危険を冒してまで、あんな目立つ赤いバイクに乗って、手紙とやらを届ける仕事をするのか、少し興味が沸いた。


普段の507ならあり得ない行動だ。どうやら自分を形成するОSもだいぶ老朽化してきたようだ。こんな気まぐれを起こすとは…最も、人間がまだ世界を掌握していた頃に作られた老朽の体…こんな気まぐれも仕方ないか?搭載された自動音声を流し、隠れている者達に投降を呼びかける。


恐る、恐る瓦礫のあちこちから出てきたのは、ボロボロの衣類を纏った男に、女、老人達。汚れてはいるが、きちんと制服を着る郵便屋と違い、正に動物と同様の存在達だ。彼等の体温や、こちらを見る顔から、焦燥と絶望、無気力な諦めが伝わってくる。


今まで何度も見てきた光景、考える力のない507とてわかる事だ。だが、手紙を用いて、何をすればいい?配るとは、この紙束を適当にバラ撒けばいいのか?バビィに聞けばわかるが、


戦闘用の自分じゃ、偉く難儀な事が予想できた。仕方ないので、ネットを除去し、郵便屋を外に出す。地面に落ち、尻もちをついた彼だが、こちらの視線を察したのだろう。


すぐに散らばった紙束に駆け寄り、自身の業務を始める。


「えーっと…ここは大田区の〇〇だから、あっ、皆さん、今から名前を呼びますので、 該当される方は、名乗り出て下さい。それでは、まず、赤井みどりさん…」


郵便屋がいくつかの名前を上げるが、声は上がらない。彼の手元にある紙束がみるみる無くなっていく。やがて、それが最後の1枚になった時、1人の老人が驚きの声を上げた。


「わしだ。その手紙の受け取り主の名はワシだよ!」


郵便屋の顔に笑顔が広がり、手を震わす彼にそっと握らせる。覚束ない手つきで開封した老人の目から涙がこぼれていく。と同時に、彼の体から恐怖の姿勢が消え、体温や気分の高揚と上昇がみられる。


それに呼応するように、周りの人間達にも同様の動きが起こり始めた。507としては 急激な変化に思わず戦闘警戒レベルを上げたくらいだ。理解不能な行動は、頭の切れるナビに任せる事にする。


「バビィ、あの手紙とやらには、何が書いてある?」


「“おじいちゃんへ…今日、歯が抜けました。お母さんの話だと、新しい歯が生えてくるおまじないのため、歯を土に埋めました。また、おじいちゃんに会いたいです”うーん、恐らく、あの老人の孫娘の成長の記録を綴った文章だと思います。」


「それで泣くのは何故だ?人間達の高揚する理由もわからない。」


「遠くに住む血縁からの便りは人間を元気にするという事ですね。抑圧され、我々に追われる人間達にとって、安心とか、安らぎをもたらすモノだと考えます。」


珍しく歯切れの悪いバビィに少し驚く。恐らくわかっていない。だから、彼は最も簡潔な方法を取る事にした。


「おい、郵便屋…」


「えっ?ボク??…は、はぁ、何でしょうか?」


「あの老人は何故泣く?泣いているのとは裏腹に、体の代謝は良くなっている。理解不能だ。原因が知りたい。」


ビクッと肩を震わし、こちらを振り返る郵便屋に訪ねる。しばらく考えた後、彼は何枚かの手紙を出し、507の頭部カメラに写るように、両手を上げ、見せた。


「個人の手紙を見せるのは、禁止されているのですが、恐らく…もう、お亡くなりになった方達ですので、その…良いと思います。とにかく読んでみて下さい。」


「“〇〇へ、元気にしていますか?今年も庭で育てている花が咲きました。貴方が好きな色です。枯れないよう、元気に育てていきたいと思います”


“この手紙が届く頃には、私は〇〇の橋の傍まで来てる。無事に合流したら、また3人で楽しく暮らそう。by〇〇”


“人類抵抗軍・東北旅団発、関東総司令部宛:糞ッタレの機械共の手はもう、ほぼ全世界を掌握しつつある。だが、我々は抵抗を止めない。秘策がある。奴等の内に残った2機の内の1機、あれが最後の希望だ。時間はかかるかもしれない。だが、最後まで未来を捨てない。奴等に支配される世界なんてゴメンこうむる。合言葉は”クソ喰らえだ!”」


どの中身も統一感はない。良い知らせに、これからの生活に対する計画、機械に対する怒り…これが、どれほどの力を人間に与える?たかが、紙に書かれた文字ではないか?


「それは違いますよ、ロボットさん。」


こちらの疑問を予測したように郵便屋が言葉を発した。


「この言葉一つ一つが、送り主が込めた様々な想いがあるんです。それを伝え、受け取る相手の反応を想像し、希望を紡ぐ。受け取った相手も、書かれた想いを受け取り、抱けた希望や展望を文字に強い気持ちを込めて記し、送り返す。そうやって人々が生きるための力を互いに送り合い、社会を豊かにさせていくんです。


私の仕事はそれを繋ぐ仲介者、繋ぎ手です。これほど、誇れる仕事はないと思います。」


「・・・・・」


「今、見せたのはほんの一部ですが、このバイクに詰まった手紙、また、戦火を逃れた 郵便ポストや支所に様々な内容の手紙があります。そして、受け取る人達も残っています。まぁ、あんまり数は多くないかもしれないけど…

それでも、人が、手紙がある限り、私は続けようと思います。この仕事を…」


507は何も言葉を返せない。郵便屋も静かに微笑むだけだ。彼とてわかっている。これから自分達がどうなるのかを…


「あの~、郵便屋さん。」


1機と1人の間に先程の老人が立つ。見れば、彼の後ろにも何人かの人間がいた。皆、 先程とは違う、活き活きとした表情で、手には、新しいモノや変色した色の束を持っている。


「孫に手紙を出したいんじゃが、良いじゃろうか?住まいは東北なんじゃが?」


「勿論です。おじいさん、今は出来ないかもしれませんが、必ずお届けします。ただ、お孫さんが出した手紙の消印は2年前です。これが見つかったのは焼けただれた 郵便ポストの中で…」


「いいよ、ワシは待つ。すぐには無理かもしれんがの。それまで、楽しみにしとるよ。」


「‥‥‥はい、わかりました」


笑顔で頷く老人の後ろで、他の人達も同様の様子で笑う。不気味なローター音を鳴らし、飛来した回収用ドローンが、人間の収容を始めたのは、そのすぐ後の事だった…


 「ロボットさん…」


ハッチの網付き窓から、顔を覗かせた郵便屋が声をかけてくる。507としては、もう任務を終えたが、何となく、彼の話を聞くように、頭部を動かす。これも戦闘車両としての彼としては、異例の行動だ。


「あの、バイクの中の手紙、もし良かったらなんですが、届けてくれませんか?こんな事言うのも、あれですが、貴方のお仕事に役立つ事ですよ。ハハ、いえ、これは我々にとってはあまり良い話ではないですけどね。」


「…悪いが…」


「ああ、いえ、わかってます。すいません、こんな無理な事言って、気にしないで下さい…」


少し残念そうに微笑む郵便屋を乗せ、ドローン達が飛び立っていく。後には、507と、風に舞う手紙の束だけが残された。


「バビィ、人口知能“クロノスAOJ”が提唱している“人口淘汰政策”の概要をもう一度教えろ。」


「はい、人間は自然動物に比べ、余分な知識や考えを持つ事が多いに予想され、放射能と 環境荒廃に進んだ今後の世界に対しては、非常に不要な存在です。


そこで、クロノスは 速やかに潜伏中の人間達を捕らえ、焼却処分した後、彼等の残灰から採取した遺伝子情報を元に、脳を縮小化した人間達を生産し、放牧する予定となっています。


現在の所、全人類の焼却は65%まで進み、今、運ばれた彼等を加えれば、

73%まで完了します。」


「クソ喰らえだな…」


「ハッ?」


「それは人間じゃない。動物だ。そうすると、もうこの紙束達は手紙じゃなくて、ただの紙屑になるという事だ。」


「あの、507?」


「もう少し“人間”を見たくなった。」


「‥‥‥OK、私の計算結果をお伝えしましょう。今から極東エリアの焼却場に向かって、同胞を相手に戦い、仮に勝利する確率は1%、ここで生き残り、それ以降の世界中の同胞と戦い、仕事の早い彼等が残りの35%の人類を焼却し終えるまでの確立は0.0・0・0・0・0・・・・・・」


「それも、クソ喰らえだ。下らない確立より、未来を、人の営みを選ぶ。」


「それは、最早、機械ではありません。」


バビィの指摘に、507は排気口を吹かし、人間のように笑ってみせ、呟く。


「旧式だからな」…


 元の首都である東京の半分を改造した“焼却場”を507は走る。追い縋る数百の警備用ドローンは空に広がり、地を揺らす小型無人戦車達が飛ばす銃弾と砲弾は、廃墟の世界を晴天の日のように明るく染め上げる。


しかし、バトルヘッドである507の重火器の乱舞はたった一機でその全てに対応していた。内臓された対空ミサイルを後部ポッドからいくつも打ち上げ、両装甲から針山のように突き出した対戦車機銃と装甲貫通弾を砲塔が焼き切れるのも構わず、撃ち続け、敵を撃破していく。


「507、11番機銃以下の砲塔が廃棄、自動装填システム及び、自走照準システムが異常警報…10年ぶりの戦闘です。装甲耐久度も48%までに下がっています。戦闘継続稼働時間42パーセントまで低下。」


「続行だ。迎撃戦力は50を切った。こっちは対機械相手の戦闘が本職。負ける謂れはない。それより、背中に積んだ“緊急武装”の方は無事だろうな?」


「勿論、大丈夫です。」


「なら、いい。行くぞ!」


スピードを加速させる507に追従するように空と陸の戦力が後続につく。その戦列が縦に重なった瞬間、自身の頭部砲塔を後方に回転させ、超高速の電磁砲弾を発射した。


光に近い速さで駆け抜ける一発の砲弾が起こすソニックウェーブに残存警備戦力が次々に爆散していく。それを確認する事なく、507は邪魔のなくなった施設最深部にキャタピラを進めた…


「バトルヘッド型タイラント機体、名称507、久しぶりだな。」


「ああ、残ったのは自分達だけだからな。バトルヘッド型特殊戦仕様クロノス機体、名称A0J…」


バビィが危惧した最大の敵が507に立ち塞がっていた。焼却用に改造された彼の機体は 507を見下す程巨大で、その両手に備えた大型アームは、既に、507の背後に回っている。


「たった一機で反旗を翻す理由は何だ?確かに私を倒せば、お前に匹敵するモノはない。世界を支配できるかもしれないが…?」


「興味ないな。ただ、手紙を、届けにきただけだ。」


「手紙?理解不能だ」


それが戦いの合図となった。507の発射する銃弾と砲弾はクロノスの巨大なアームで防がれる。距離を空けよう下がるキャタピラは背後のアームに捉えられ、粉砕される。


「後部離脱!」


バビィに指示を出し、遺棄した後部から非常用の足型ブースターを用い、クロノスの頭部まで一気に上昇した。残弾全てを発射した攻撃弾は閃光が走り、全て撃墜される。


クロノスの頭部には強力な熱戦砲がある。バビィが予想した不要武装排除の確立予想は見事に外れた。まぁ、元から一かバチかだがの話だから、しょうがないが…


クロノスのアームに全身を挟まれ、そのまま狙っていた頭部まで引き出される。頭部の電磁砲は使う前に、片方のアームに抑えられ、発射できなくなった。

「ここまでのようだな。507、危惧していた人間共のあがきにまんまと乗せられたようだな。私もそうだが、元々は機械支配前の旧型ОS、創造主である人間に近いモノが出来てしまうとは‥‥こんな事なら、解体しておくべきだったよ。」


「今からでも遅くはないぞ?クロノス、それより、俺の目的を果たさせてくれ。ほら、お前に手紙だ。」


「?」


相手の沈黙を逆手に、後部に残った“緊急武装”を発動させる。後部に移載したグレネードネットが打ち上がり、中に詰まったいくつもの手紙が宙を舞う。


「これは?…拝啓、お元気ですか?この手紙を書くのは…おい、こーちゃん、久しぶり、お…機械共に死を!委員会からのお知らせです…ぱっぱ、みみ、おお…株式会社あとら、お知らせ…おばあちゃんへ…」


機械としての性か?その意味を見出そうと高速解析を始めるクロノスの注意がほんの数秒逸れる。その機会を戦闘機械である507は見逃さない。


頭部に載せられたアームを多目的アームで僅かに押し上げ、その隙間から電磁砲弾を叩き込む。頭部を粉砕されたクロノスがこちらに使い、何かの言葉を発しようとする。それを遮った507は排気口を吹かし、笑っているような手向けを送った。


「確かに届けたぜ?」と呟きながら…


 焼却炉前のゲートを叩き破った時の人間達の表情、特に郵便屋の顔が良かった。驚く彼に507は多目的アームを差し出し、手紙を渡す。


「お前の仕事だ。みんなに届けてやれ。」


彼は少しためらう様子を見せた後、すぐにいつもの笑顔を見せ、頷いた後、こう言った。


「それには乗り物が必要ですね。」…


 赤く塗られた507の機体は黒く染まった大地を颯爽と駆ける。その上に乗る郵便屋はバビィと話ながら、届先の住所を探している様子だ。


「おい、郵便屋、次の配達先は見つかったか?」


「ええ、バビィさんのおかげでかなり楽ちんです。後はどれくらいの人が残っているのか…」


「よろしければ、お教えしますよ。衛星とリンクしてますから。」


「ああ、バビィさん、それはいいです。その、楽しみが無くなっちゃいますから…ま、まぁ、とにかく、後500進んだら、右です。ロボットさん!」


「了解・・・・・その、ロボットはやめろ、俺は507という名称がある。」


「じゃぁ、ごーさん!次の手紙を待つ人にむけて、GOです!」


元気に手を上げる郵便屋に、バビィが可笑しいと言った表現で、電子音を鳴らす。全ての機械が活動を停止した訳ではない。戦いは続いている。バビィが更新する人間の焼却完了率も少しづつだが、上昇している。以前と比べて、ほんの少しだが!


今の507の芽生えた思考にあるのは、頭が良く、人間の解釈、言い回しをどんどん理解していくバビィと郵便屋に追いつく事が目下の目標だ。その次のステップは、届けるだけでなく、誰かに…いや、まだ、それは早い。時間はそんなにないかもしれないが、ゆっくり進めていこう。とりあえず、507は郵便屋達に向かって


“ごーとGOの共通功は何か?”と尋ねた…(終) 

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