この作品の内容は、あらすじとして紹介文に書かれています。 実際に小説を読んでも、あらすじ以上の出来事は起こりません。 内容はすでに、読む前から提示されているのです。 なのに……。 読むと物語に引き込まれます。 これは作者の筆力の何物でもありません。 文章の持つ力、実感してみませんか?
純文学的な筆致がお好きな方にオススメできる、一夏のストーリーです。少々内向的な主人公は、海辺で衝撃的な出会いを果たします。その女性と親しくなるにつれ、主人公の気持ちは変化していきます。しかし本作にはある重大な事実が隠されています。世界は観測者によって違う形相になる。そしてそれは如何に愚かで、感情に支配された短絡的な物なのかを、痛感させられるでしょう。これは、作者様から読者への挑戦状です。
都会で孤独を感じていた少年は、田舎の海で少女に出会う。少女もまた誰にも言えない孤独と絶望の中にいた。波に身をまかせて過ごす時間は、二人の心を癒していくが、想いはすれ違う。美しい文体で綴られたほろ苦い青春物語。
凄いです。本当にこれは、凄い。この語彙力、表現力、描写力。そう言うのをひっくるめて「筆力」と言うならば、この作品はそのレベルが格段に高い。筆力のお手本のような作品です。自分も上手くなりたい! と思う人は、是非読んで頂きたいお話ですね!