第22話 奴

奴には包み隠さず私の性事情を伝えました。


元々そんなに仲がいいわけではなかったので、逆に話しやすかったのだと思います。


今週末に、お兄さんに会いに行き、セックスをする話をしました。

奴が惚れっぽいことを私は知っていました。



「もうむしろ嫉妬する」



そう言われて、奴なら簡単に落とせるなと思いました。また、崖をのぞいてみたい気持ちが強まってきます。


何日か前までは、お兄さんのことで頭がいっぱいだったのに。


なんなら今はあなたとも連絡をとっています。

あなたとはもう無難な話を永遠にして、暇つぶしのラインのようなものですね。


自分が可愛いとは思っていません。

顔も、していることも。


ただ、人といたいだけです。


向こうだって私といる時は楽しいと思います。


なのに、最近は虚しいです。

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崖から下を見る 加々美 @omae1818

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