世界の外側
この世界の他にもう一つの偽物の世界があったとして、その世界は、どんな世界だろう。終わらない世界があったとして、其れは不自然なもので、非物理的なもので、そういった世界には一体何がどう動いているだろう。偽物の世界から見える本物の世界は、本物に見えるだろうか。偽物の世界に住んでいる住人は自分たちが偽物だとは、思わずに暮らしている事だろうか。
「コノ世界は私の創った。都合のいい世界だ。この世界の法則も全てが作り物で、本物の世界に魔力などない。」
木ノ葉 崩と天才 閃博士は、四つの世界を眺めていた。モニター越しに、偽物のつくられた世界を本物と信じ、生きている意味を探し、必死に暮らす、人間や、魔物、怪物を見て、其れを、面白がっていた。
「ご都合主義の世の中を創ったんだ。」
愛咲 日祖はいった。
あの世界は、天才 閃の研究により創られた世界。だったのだ。そうとは知らずに、あの四つの世界、ガルド、サイン、べート、ヘルム、の生命や、その他のものは、存在しているのだ。設計された、そのシステムは、製造者の意図を超えて加速し、この世の不可能を可能にした。
あの世界は、この世界とは異なり、広大で魔力を持つ。更にそれらは、現実味を持ち、この世界にその技術が活かされる。天才 閃は、その四つの異世界の住人の科学や、この世界には存在しない魔力の研究をし、遂に、現実世界に、魔法成るものを実現するのに成功した。
我が創りし人形は、ゆうに数百憶年の年月をたったこちらの世界で一秒足らずで、終える。正に発明。時間の拡張技術。政府は、国は、その技術を使い、遂に征服した、それが瞳暦で紀元前二千三十一年。あの世界で宇宙探検団が、デスノックに旅立ち、修行を終えた直後の事であった。
四つの世界を創った現代社会の人間どもが、この四つの世界に入り込み、世界樹を盗んだのは。そして魔力を奪い取り戦争に使った。この世界の名前はない。地球という惑星のモデルになった星で高度な科学文明と貨幣経済が発展しており、人間が暮らしていた。その、世界がこうして滅び、世界の外側として機能している。
世界の外側、其処には、さらに宇宙がひろがっている。外側には、戦争で勝利した、人間が、暮らし、四つの世界を管轄している。愛咲 日祖は、この四つの世界を侵略しない協定を、敗戦国と結び、世界の王となった。
天才 閃博士は研究を更に進め、四つの世界の現実化に成功した。そして、世界の開祖として、天魔 闇光を創り、自らは、天上 善悪として、外の世界の制圧と、世界の変革を行う計画を密かに企ていた。
「しかし、愚かだったよ。僕は何て愚かな人間の出来損ないなんだ。文学賞は無数にあるが、どの賞に応募すればいいかよくわからないなんてねえ。」
ネットで曝そうかとも思ったが、躊躇した。分からないのだ。其れで有名になるとどうなってしまうのか、ちゃんとした賞に通った方がいいのか、分からない。只々、僕は其れが商業的に成功して、御金にさえなって、印税やらなんやらで儲けられれば良かった。只分からないのだ。これが何のジャンルの小説で、何の為の文章なのか。が。電撃大賞なのか、小説すばるか、スバルか、文藝春秋か、新潮か、、、。その後成功するのはどの賞なのだろうか。この小説は少なくとも十代向けではないと思う。そんなのは分からない。そもそも、ジュブナイルだとか、ライトノベルだとか、そういった草分けがあるのは、よくないし、無くなればいいとさえ思う。
「んんん。僕の作品は糞なのか。」
わからん。時代を先取りしたものだし、僕の思想やら哲学、考えの詰まったこの作品。この世界が社会に、編集者に受け入れられるかは、知らないが、何かこれが収入にならないのは、つらい、これは御金にならないと困る。売れそうな作品を書いたから、真の文学者には呆れられる、小説だ、こんなものは小説ではないと、言われるかも知れない。僕は只売れればいいから、そんな事は知らない。
「これは、失敗かなあ。子供受けを狙って書いたんだよなあ。メディア化がし易いように、キャラクターを意識して、書いたんだよねええ。」
此れは、漫画とかライトノベルに多いやつだ。
これじゃあ。餓鬼の底辺小説だなああ。売れてもそれだけで、本物の人達には評価されないんだ。次回作は、ちょっと難しい小説にしよう。この小説の話は、完結するが、続編はあるかもしれない、其れもこの世界の製作者である僕の決める事だからねと愛咲 日祖はいった。
最終回迄、後約三千文字かあ。名残惜しいなあ。もうすぐ十万文字を迎えようとしています。
思えば、この小説を書書くために小説の勉強をわざわざ忙しいのに時間を割いてしたなあ。とにかく色んなジャンルの本を読んだなあ。その知識は大して生かされず、数学とか科学とか歴史、外国語の知識が、作品のヒントになった訳で、全く夏目漱石も、芥川龍之介も太宰治もエドガー・アラン・ポーも、大した役には立たなかった訳だが、音読して読んだなあ、吾輩は猫であるとか、斜陽とか、、、。
それらの作品のエッセンスが少しは入っているかも知れないな、と四つの世界の神は考えた。
WIKIPEDIAで北欧神話やら、日本神話、ケルト神話、ギリシャ神話とかの神話を調べて世界設計のアイデアにしたり、数学を取り入れてみたり、此れは相当ちゃんとした作品だ。小説を書く奴なんて基本はバカしかいない。そんな暇があれば、勉強して、学問やら社会に貢献しろって話だからな。
と、天才 閃も、木葉 崩もそう考えた。三人は社会を変革する革命者に成ろうと、この文学で世界を変えようとその勢いで書いていた。この作品から始まるんだ、この作品はその序章で、彼等は、其れに留まらず多くの事業に手を出し、世界を変えるのだ、変革の為の作品、合理的で科学的な作品、賢いネット民や、学者、数学者、や歴史学者、だったら分かるはずだ、この作品の良さが。
正直、賞に出すとその作品の権利やらが奪われるのは癪に障るし、出版社の人間とは関わりたくないが、此れは出版して、広告を上手くだして宣伝しないと売れない。どんなにいい内容のものでも、しっかり宣伝しないと全く意味を成さない。週刊連載や、月間連載の漫画の様に、人気が単行本がでる前から分かるわけじゃない小説は売れるか売れんか、一から分からない。編集者や、作家の独断と偏見だ。僕は、なんだって知らない。死んだ時にこんな作家が居たんだ、そして生前にこんな作品を残していたんだ。まるで予言書の様だ、凄く新しいものだ、読んでいて勉強になるし、クリエイティブでインスピレーションを得られるな、小説のイメージを変える自由な新時代の小説だ、時代を先取りしている、未来人の書く、異世界人の小説だ、彼はすごい仕事をしたよ、と称賛されることの一つになればこの小説に関しては十分だ。僕は小説だけで終わる気はないが。
天才作家として、財団から賞を渡され、国の偉い賞に受賞されるのが目に見えてる。
僕って凄いな。努力しても売れない作家はたくさんいるのに、才能だけで売れっ子になって、世界が私を称賛し注目するのだから。少しいい賞を取ったからってなんだ。そんなものは序章じゃないか。ああ。下手な癖に受賞される作家は糞だ。僕は現代の作家は嫌いだね、下んないんだ。YOUTUBEとか、漫画の方が未だ面白いよ。明治時代と大正時代の小説の方が面白いんだ。現代小説はカスだ。毒されているんだ。病気なんだ。これも国語力が低下しているからか、全く下らん作品ばかりで見るに堪えない。ライトノベルの方が未だましなんじゃないのか。
と、彼等は考えていた。
文壇なんていう、胸糞悪い集団がいるからダメなんだ。似非小説家の集まりが評価するのだ、困ったものだよ。小説家なんて似非だ。架空なんだ。ドキュメンタリーもあるが、大半は架空の世界じゃないか、想像の話だ、似非集団だ、宗教家じゃあないか、ああこんな奴ら死んでしまえばいいのに、人間は架空の虚構の中でしか、存在できない生き物なんだよ。
僕の創ったこの、次世代のプログラム、ザ・ワールド オブ フォー は、人間の空想を実現する、ご都合主義の装置だ、その装置の中で出来た生命や、物理法則、魔法は、現実世界にも適応されるようになっていくんだ。危険な実験は、その四つの世界で行われ、現実世界に革命を齎す、空想は実現するのだ。
餓鬼の戯言だ。と思うのならば、どうだろうか。君の思考も手順どうり、その思考をたどれば、現実になるはずだ。この世界には論理があり、抽象化があり、答えがある、其れが数学だ、その論理、数に間違えが無ければこの世界にその現象は起こりうるのだ。
将棋と小説は密接に関わっている。どれだけ先が読めるか。其れは将に将棋だ。そして、人間の思考を先読みして書く小説はその深みにおいて、やはり行動を読むということ、考えるという集中力を必要とするのだ。妙な優しさを持った奴が小説家には多い。
破滅的な人間は、面白いものを書くものだ。如何して作家は自殺するのか。詰むのが分かっているからだろう。もう疲れるのだ。詰んでいるのである。この小説だって当初は、或る小説投稿サイトから、賞に出す予定だったが、その賞が明らかに、十代向けの作品である事を条件としていることに、クライマックスを書いている寸前に気づいてしまい萎えた。
「これで、賞金をもらうつもりだったのによお。」
ネットの小説投稿サイトから、あらゆる小説の賞に応募できればいいのに、メジャーなものも全てそうしたほうが、楽だし、便利だ。読者は不特定多数にも、審査員にも読んで貰えるじゃないか。どうしてそうしないんだろう。時代遅れだなあ。
出版権、というのか、此れは。知らないが、この印刷権と出版権は、一体誰のものなんだろう。出版社も儲けたいんだろうなあ。何処の出版社も、作品を独占するんだからなあ。くだらないな。いいと思った作品は、どの出版社が出版したっていいじゃあないか。不朽の名作は、衰えず売れるものだ。書籍化しようと、思った出版社が好きに出版して何が悪いんだろう。新人作家に逃げられるのが、如何して不都合なのだろう。面白ければいいとは、何なんだ。知ったことか、出版するのは、お前らだろ、其れを配布してるだけだ。
そう。配布しているだけ。配り屋。一体編集者が何だ。出版会社の社長がなんだ。その場所にしか、大量に印刷できる印刷機が無いんだ。御金の無い作家たちは、書いた作品を出版して、商売をしたい、けれど、出版する権利は無いのだ。同人誌には、限度があるし、儲けが少ない。
印刷して、書店に並べるには、有名になるか、何かよくわからない。只、売れてくれれば問題ない。その印税やらなんやらで儲けられれば、問題は無いのだ。出版社は儲けてるんだ。作家の売り上げから、金をむせび取って、化け物だ。作家の敵は出版社と、作家だ。そして、世界だ。
売り上げの本の少ししか、収益にならない。こんな糞の商売があるか。広告して、有名になって、出版社は其れを売るが、私はどの出版社がいいのかも、決められない。何の賞を取ればいいのかも分からない。その出版社に独占されるのか、私は。私はされなくとも、この作品は独占だろう。それと、シリーズ化させられるのか。完結するのか。も分からない。シリーズ化は、何処までも書かされるんだ。締め切りとは何なのだろう。怖い。そして、出版してくれるのだろうか。
賞金はくれるのか。読者は、僕の信者になって、買ってくれる。僕の大切な読者。
読者の為に書いているんだ。僕は、続編を待ち望んでいるであろう読者の為に。
「僕を稼がせてください。きっと、より面白い作品をかいてお返ししますから、このシリーズだけでなく、他にも色々やっているので、是非そちらの方も確認してください。僕を稼がせれば稼がせるほど、出来ることも増えます。僕を信じて投資してください。」
只、僕は、僕の創ったものを社会に評価され、読み繋がれ、伝説になれれば、よかった。
稼いだお金で、僕は小説以外の事にも、挑戦できる。
僕は、小説を書く事をやめない。例え別の道で成功しても、小説は続ける。
天才作家の、寺社 寅寺郎はそう言った。文学の鬼の彼は、幼少期には、既に図書館の本を読読みつくしたという、たいそう偉い作家で、文壇の中でも一際、権威がある。寅次郎賞は世界中の作家の中から、一人、年に一度選ばれる、賞で、その基準は読者による投票で決まる。
「芥川 考 赤座崎 瀞 橘 薫 無量人格ミクル。」
この設定でいこう。寅次郎は、天才 閃に原稿を手渡した。数色と、耳ヶ里 ミクルの知られざる物語。数色の数学上の発見。世界の記述機関の開発。其れは、三千年前の命の実の人工化、量子化により達成された。ミクルは、その計画のサンプルとして選ばれた云わば人形。その人形に魔力を与え、決戦への使命を与えたのは、芥川 考 と橘 薫 二人は結婚し子供を残したのではなく、共同研究の結果成したのだ、魔力に耐えうる箱(肉体、又は身体)の製造に。
薄暗い、研究室の中で、赤座崎 瀞は予言の絵を描いていた。其処には、世界の外側で、憂鬱に考え込む、神の姿が描かれていた。彼が寅寺郎。この世界の原作者。其れを定式化したのが、天魔 闇光 、現実に装置として実用化したのが、天才 閃博士。生き物に生と死を与えたのが、あの憎き天上 善悪。最終決戦の標的。世界の反逆者。天上家。永遠を否定した、神の敵。
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