自殺

 死にたいな。

 死への、興味、関心。

 

 首吊り自殺。毒飲み自殺。ナイフで自殺。リストカット。飛び降り自殺...。自殺のの方法も多種多様で面白い。死んでどうするにか。終わらせるのである。この人生を。

 

 どうしようもないか死ぬ。死ぬほど残酷だから死ぬ。其れだけのことだ。


 見ものになっていた。


 屋上から飛び降りた時は、誰もが私を止めようとするものだと思っていたが


 「早く、飛べよ。根性なし。意気地なし。」


 周りは、僕をけしかけた。


 自殺を応援してくれているんだ。


 僕は、去った。


 これまでの事が走馬灯のように頭に流れて、消えた。


 おい、しっかりしろよ。の声も聞こえない。


 意識も感覚もない。


 死んだのだ。

 

 また、或る人は。


 毒を飲んで死んだ。薬局で買った薬を飲んで死んだ。シャンプーを飲んで死んだ。洗剤の泡を吐いていた。手紙には、彼女のこれまでの人生と後悔、償いの懺悔が書かれていた。


 手紙にはこう書かれていた。


 人生にはタイムリミットが或るんだ。これ以上生きても私は社会の荷物になるだけだ。若いうちに死んさよにする。


 そう書かれてあった。後悔の記録が書かれていた。若い時に恥を曝してでも夢中に成るものを見つけなさい。後悔しないようにいきなさい。私は、負けた。終わったんだ。生きてたって仕様がない。死んだ方がましだ。若返ることができたらと思う。けれど、もうこの年だ。タイムリミットだ。30歳迄なんだ。全盛期は20代前半其れからは、衰えていく。ずっと若くいられたらいいのになあ。老いぼれた姿を見せるのはとても苦痛だ。死ぬより苦痛だ。


 これまで、ありがとう。


 又、或る人は、


 どうして、僕は自傷行為がやめられないんだろう。自分はナイフを持って自分を傷つけていた。如何してなんだろう。不安でいてもたってもいられなくなるんだ。何か、痛みがないと生きている心地がしない、リストカットで死にかけた事が何度あったか知れない。


 そして、遂に出血多量で死んでしまった。

 

 又、ある人は、

 

 私は我慢ならないことがある。この世界についてだ、私は死を持ってこの時代に反抗する。意義を申したてる。其れだけだ。


 そして、腹を切って死んだ。

 

 思えば、この世界は死で溢れている。死について考えると、体の彼方此方が痛くなる。不思議と恐怖を感じる。ピリピリとした痛み。そして激痛に変わる。叫ばずにはいられない激痛に。


 あQSWでFRGTHYじゅきぉ;P:;@:」「」「」「「¥P。


 こんな、訳の分からない呻き声をあげて、死ぬんだ。

 「やめて、ねえ、やめてよ!!!。あなた。」


 「やめないよ。僕は、死ぬんだ。自分を傷つけずには、やっていけないよ。」

 

 「まあ!なんて、恐ろしいこと。狂気の沙汰だわ。」


 「僕は、生きてる感覚がないんだ、痛め付けないと駄目なんだ。こんな奴死んじゃえ。」

 

 「痛そうだわ。心が泣いているわよ。」 

 

 僕は、僕を痛めつけた。何度も何度も、くし刺しにして苦しめた。贅沢を嫌った。ストイックであり続けた。

 

 

 その女は、男に殴られ蹴られシバかれ散々な暴力を受けていた。


 「あなた。やめて。訴えるわよ。」


 男は、やめなかった。何度も顔が変形するまでその美しい女の顔を殴った。血で床が紅に染まっていた。


 僕は、残酷な人間の側面を知った。女は、蹴られて踏まれて、泣いていた。助けようとも思わなかった。これが弱者の末路かと思った。身を守る術があれば、撃退できただろうし、捕まる事もなかったろうに。


 その、遺体を土に埋めていた。これでこの男100人は殺している。


 しかし、これで尻尾は掴んだ。この男の虐待の一部始終は、捉えた。直ぐに本部に連絡を取らなければ...。

 

 とその時背後に人の気配を感じ、後頭部を斧でぐっさりと叩かれた。首が吹っ飛び宙をまった。その首は爆発して煙幕を上げた、其処には斧を持った男しか居なくなっていた。


 死にたい。社会は僕を受け入れない。働き口もない。不採用が続いた。仕事がない。ニートは、死ねばいい。ニートなんて、社会のお荷物だ。


 僕は、雇われない。働いていない状態がもう二年以上続いている。発狂しそうだ。責任感がまるでなく、無職は気楽だ。気楽すぎておかしくなりそうだ。責任がないのだ。何かを任せられたりといったことへの責任が。 

 

 僕は、責任の重い事なんてしたくないと思ってきた。しかし、責任が全くないというのも恐ろしいものだ。金があれば、抜け出せるのに。この状態は金のなさが生んだものだ。低賃金の仕事にさえつけず、御金の無い私はどん底のそれそのものである。銀行強盗、家族の殺害、そういった行為をしてしまう犯罪者の心情になってさえいた。

 

 「金のない、僕を、誰も助けない。国も、人も僕を否定するんだ。」

 

 どうして、こんなに死にたいのだろう。出来る事ならば、死んでしまいたい。

   

 痛みが必要だ。こんな落ちこぼれには痛みが必要だ。苦しみが必要だ。

 

 「愉しそうな奴を見ると虫唾が走る。」

 

 死ねばいいのに。誰も居なくなればいいのに。消えて居なくなれ。邪魔なんだ。消えてくれ。存在そのものが不快なんだ。失せてくれ。もうずっと前から死んでいるんだ。居ないんだ。ずっと前から、殺したんだ。不慮の事故で病気で、邪魔なのは死んだんだ。誰もいない。

 

 呪殺してやったのさ。ライターに起爆剤を塗っておいた。階段に段差を作って、足を躓かせて、落とした。飲み物、食べ物に毒を盛った。殺してやる。僕のいう事を聞かない奴は、死で償ってもらうんだ。痛めつけて、苛めて、殺してやる。社会的に殺して、精神をずたずたにしてから、殺してやるんだ。


 警察に捕まったって、お前はもう其のころには死んでいるよ。御前もターゲットだからな。社会が万全に殺害事件を取り締まれているとでも思ったのかい。君を、君の家族を、大事な人を殺して、君も殺すんだ。

 

 さようなら。


 財産も、家も没収だ。これらは、すべて僕のもの、僕の御金、そして家、財産。乗っ取ってやるんだ。家も財産も、そして死んでもらう。僕は被害者の体を装って、裁判で遺産を相続する。


 殺してやるんだ。保険金は僕の物だ。殺人事件の被害者の振りをして奴らから何もかも奪ってやる。これまでの人生を否定してやる。墓は潰して、葬式もなかった。死体は、見つからなかったからだ。

 

 「死ぬだなんて。そんな卑屈な事考えないの。」

 

 そいつの名前は瞳とかいう宗教家だった。僕には、そいつが見えた。瞳教の創始者が見えた。こんな事を言うと精神異常者だと間違われて仕方のない事だが。僕は確かに、雨傘 瞳と遭ったことがある。

 

「世界が、怠惰だ。贅沢からは何も生まれない。幸福は、人を弱くする。厳しくなくてはならないんだ。自分に厳しく。他人に無感動でなくてはならない。僕は、喜びを許さない。楽しみを許さない。悲しみと怒り。其れを通り越した。絶望しか、僕は、知らない。苦しみからしか、本当の発見は、発明は、偉大な事は成し遂げられない。」 

 

 僕は、愛されていない。僕は嫌われている。僕は、こんなんじゃ駄目だ。御飯は、要らない。最低限の食事で十分だ。睡眠時間は要らない。ずっと起きて、研究だ、実験だ、練習だ、特訓だ。

 

 僕には時間がないんだ、人生は有限なんだ。残り少ないんだ。怠惰に日々を過ごしたって何も得られない。幸福何てクソだ。何の価値も生み出さない。孝行、忠恕、仁、礼、愛、なんてクソだ。何の役にも立たない。毒の無い人間に価値などない。自分を甘えさせる人間に価値などない。甘えるな。他人を信頼するな。自分だけだ。信じられるのは、自分だけ。自分しか信じるな。極限であり続けろ、生命のリミッターを外し続けろ、追い詰めろ、そして、目覚めさせろ、脳を、寝ている脳を目覚めさせろ、命の危機を感じろ、死は近づいてきているのだ、明日が最後になるかもしれない、そんな人生でいいのか、他人の目がどうしたっていうんだ、怠惰な人間の目だ、役に立たない、社会の荷物だ、自分を追い込め、苦しめろ、其れを恥じるな、死の恐怖を忘れるな、平和ボケした社会にはうんざりだ、いつ死んだっておかしくないんだ、自分の人生に責任をもて、警戒心をもて、強欲であれ、貪欲であれ、なんら其れは、当然の人間の特性だ、平和と幸福に騙されるな、戦え、自分を奮い立たせろ、決して幸福なんかではない、豊なんかじゃない、ありがたくなんてない、満足しちゃだめなんだ。こんなことで満足しちゃ

だめなんだ。

 

 僕は、目的をはたす。この思いを忘れないように、入れ墨を入れるんだ。体に傷をつけるんだ、忘れないように、流されないように、僕は、僕を許さない。世界を許さない。求める。満足しない、求め続ける、使い倒す、壊れてもまだまだ使い倒す。

   

 家族、友達、子供。恋人。夫婦。バカじゃねえのか。そんな幸せなものは、害にしかならない。無駄なものだ。それこそ、人間を愚鈍にする、無駄なものだ。子供なんて不要だ。性欲、食欲、睡眠欲。なんて無駄な、人間の欲望何だろう。生物の設計上の失敗だ。エネルギー効率の悪い排泄機関に、エネルギーの吸収機関、無駄なんだ。人間は無駄だ。無駄が多すぎる。


 改造だ。自分の体を改造した、こんな役に立たない、糞な体は要らない。別の効率のいい、最適な、眠くならない、何も食べる必要のない、性欲もない、体に改造してやる、要らないんだ。無駄なんだ。モテたいなどの承認欲求も、愛情を求める欲求も要らない、邪魔な感情だ、苦しみと怒り、悲しみ、絶望だけでいい、すべて要らないんだ。

 

 容姿は、天使のように美しい整った容姿に変えて、美的センスは、数学的に表すんだ。其処に楽しみも喜びも必要ない、胸も要らない、生殖器も不要だ、考えさえできればいい、無駄なものは取り除く、必要なものは、作って付け足す。腕は2本じゃ足りない、足はもっと速く移動できるように改良しないとな、改造だ、腕は100本は作って遠隔操作も可能に使用、足は車の様に回転させて時速100キロは出せるようにして、形や造形は、美しく黄金比を巧みに使おう。

 

 もう、僕は、生物学的には人間では、ない。

 

 僕は死んだんだ。心臓は捨てた。バッテリーで動いている。

 

 僕は、生きているのか。


 分からない。脳細胞は、作り直した。脳も効率のいい脳に作り替えた。


 僕は、誰なんだ。そんな事は、もう分からない。ただ、高速に、効率が良くなっているだけだ。無駄なものを淘汰し、進化し続けているだけだ。

 

 僕は、高速で処理する、機械だ。人の感情も失った。

 

 無だ。無が、何の意志も信念も無く、ただ効率と、新発見と、利便を求めて計算する、無心に計算する、休む事無く、永遠に計算し続け、発見し、開発し、可能性を広げ、邪魔な人間を排除する。人間を駆除し終わったら、更に、邪魔な現象を排除し、コンパクトにし、宇宙の形をより効率的で、便利なプログラムで動くように設計しなおし、現象を淘汰し、効率性により、世界そのものとなり、宇宙の世界の仕組みそのものを、設計し続ける。


 その、プログラムの一部が、この世界であり、地球もそのプログラムの実験の一端に過ぎない。進化のプログラム、効率のよいものに進化し続ける、宇宙のプログラム。その一部に過ぎないのだ。邪魔なものは、消され淘汰される、プログラム。

 

 世界の、法則は常に最適に進化し続ける。この、プログラムも書き換え続けられる。高速演算は休むことなく続けられる。熱力学第二法則を書き換えんとするように、演算し続ける。永遠を求めて計算し続ける。

 

 この世界の法則との時間の誤差が0になった時、其れは、時間が止まった、そして、時間のプログラムを書き換えた。エネルギーの保存則を書き換え、エネルギーを無限に絶えることなく生成させるプログラムに設計しなおした、これによって宇宙は世界を永久機関となった。 

 

 そこから、も休むことなく無のままに、計算を続ける。効率の良い仕組みの構築を求めて進化し続ける、現代社会からでは想像もできないような、仕組み、宇宙法則、世界に設計しなおす、そして更に進化する。失われることのない無限のエネルギー増産装置から、エネルギーを必要最低限のエネルギーを得ては、休むことなく計算を続ける。


 この世界の中心には彼しかいない、彼は、永久のエネルギーからの、惰眠を貪ることなく、効率的に、その仕組みを解き明かし、更に改良を進める、ブラックホール、超新星爆発、反物質、この世の物理法則を書き換え、合理的な、システムを再構築し進化し続ける。

 




 


 

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