第5話「エラとティレッドと写真機」
「写真機ですか?」
エラはそう言うとオレのダゲレオタイプカメラ、銀メッキした銅板を
「写真撮りませんか?」
エラはそう言うとシンダース隊長と一緒に撮った写真の事を話してくれた。
「父は亡くなってしまったけど写真の中の父は今でもでも
そう言った彼女は少し
「大変ですよ、写真」
「知ってますよ」
その後は本当に大変だった、まずはオレもエラも正装に着替える、外へ出てカメラと
「ティレッド様、手は
体を固定する為、オレは椅子の背もたれに手を置いていたがエラはカメラを真っ直ぐに見詰めたままそう言った。
オレはエラの肩へと手をやる。
この
「少し待って居て下さい」
オレは光の入らない地下室へと行き、銀盤を水銀の蒸気で
「やっぱり左右逆に成るんですね」
銀盤写真と言うものはレンズによって左右逆に銀盤へと定着する、だからオレは写真を撮る時椅子の左側へ立ち利き手では無い左手をエラの肩へと置いた。
写真は見事にオレがエラの右側に立ち、利き手をエラの肩へと置いている様に見えた。
「ありがとうございます、わたし大切にします」
そう言ったエラはその写真を胸に抱き、今日一日の事を目を閉じ思い返している。
オレはエラに幸せに成ってほしいと思った。
――――――――――――――――――――
「王子様か…」
オレは新聞に大きく
「君さえそう望めばお似合いなのにね…」
オレはそう思ったがエラを助け出さねばならない、例え
オレはエラを愛しているのだから、オレはエラに幸せに成ってほしいと思ったのだから。
これは魔法使いの愛の物語だ。
みによむ・シンデレラと魔法使い 山岡咲美 @sakumi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。みによむ・シンデレラと魔法使いの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます