第35話

似た様なエピソードに付いて記してみよう。あれは、やはり私が7、8歳、もしくは9歳位だったと思う。            母が仕事から戻り、直ぐに祖母と口論になった。そして二人で大騒ぎをして騒いでいた。そして母は泣き喚き始めた。       出て行くだとか何とか喚いていた。子供は連れて行くだとか何とか。         祖母が、それに反対して騒いでいた。出て行くな、行くなら一人で行け、子供は置いて行け、と強く言って。           そして母は泣きながら一旦外へ出て行った。私は焦って、どうしようかと思った。だが直ぐに戻って来た。結局諦めたのだ。又だ。 結局話はこういう事らしい。母は誰かアメリカ人の男と軍の中で知り合い、付き合った。そして、一緒になるだとかの話になり、私を連れて出て行きたいと祖母へ話したのだ。だが、案の定反対された。         そして、又諦めた。祖母に言われると何でも直ぐに、又は最終的には諦めてしまう。自分や、私の心に蓋をして。         (母の事を物凄く馬鹿で最低な母親で、最低な女だと言った人間がいた。いつか、母親編で記してみようか?今はそれについては置いておこう…。)              とにかく私にはとんでもない家族や、ゴミ、カス、クズ、悪魔や鬼、の様な身内ばかりが多いから幾らでもネタはあるのだから。(読み手は嫌がるかもしれないが…)     彼等は外面は良いし、又当然相手に寄ってはえらく違う。私も他人からそう思われているかもだか、違う点は、基本相手に寄って態度がうんと変わらないという事かもしれない。自分ではそう自負している。       さてその後、30代の時に母から何度も聞いた話だが、祖母は母に言ったそうだ。もしも出て行くなら子供だけは置いて行け。そして必ず毎月、30万円位を送金しろ、と。自分と私の生活費の為に。          それは今で言えば、多分100万円に近いと言っていた。本当にそうかは分からないが、かなりの大金だ。            勿論そんな事は無理だ。できる訳がない。又する必要も無い。            母はその後アメリカで、家に来た客にも話した事があり、その日本人のオバサン達で、夫がアメリカ人の二人も呆れ返って祖母の悪口を言っていた。私も横で聞きながら、同感だった。                  …祖母は私が好きなお八つをよく買ったり、わざわざそれを買いに行ったりもした。又、漫画本を毎月その号が出ると買ってくれていた。その他にも色々な本や漫画本だ。歌舞伎なんかも二人で見に行ったりした。    だが、やはり自分の保身に必死だったのだ。働いて自分を養うのでなく、死んだ祖父の代わりに母を働きに行かせて、自分を養う為の道具にした。その為に私と母の幸せを無視した。                  だから、晩年は惨めな、干からびたミイラの様になり、年中ベッドの上に転がっていた。そんな風になったのだろう。       最も週に何回かヘルパーが来ていて、彼女達に威張ってはいたが。威張れない、生意気だとか上から目線のヘルパー(たまに酷いのもいるから。)だと、母に言い付けて替えてもらいながら…。             身内でも恐い、(本当には)信用できない。そうした事も世の中にある。だがこれも人生の教訓だと思う。            まぁ分かったとか気付いたのも、過去に色々とあったのにも関わらす、30代後半位だから、かなり遅いが!!          母似の、馬鹿なお人好しのせいだろう。笑 又そんな風になる様に躾られたのもあるから、余計にだろうが!!でももしかしたら今は、少しはましだと思う。そう思いたい。 完.

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異常者の祖母 Cecile @3691007

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