彼女と私の再会①
彼女と再会したのは高校を卒業して2年目の夏だった。
進学した者、社会に出た者、それぞれがひと段落してきたという考えからか、高校3年生の時のクラス役員数名が幹事となり、同窓会を開いたのだ。
私は、予定されていた日は特に予定もなかったので、誰かに会いたいだの誰かと話したいだのそういうのは一切なかったが、参加することにした。
そして、そこに彼女もいた。
彼女は、変わらず彼女のままだった。
変わったのは、腰ぐらいまであった長くて綺麗な黒髪が少し巻かれた茶髪になっていたことぐらいだった。
やっぱり彼女はみんなの中心にいた。
少し離れたところにいた私にも彼女が質問攻めにされているのが見えた。
彼女は少しだけ困った顔をしていたようにも見えたけど、みんなの質問にひとつずつちゃんと答えていた。
彼女は、大学に入って経済学を学ぶかたわら、自身で会社を設立しハンドメイドのアクセサリーを制作・販売しているという。
そして近く、その会社が上場するという。
数人の人間は、彼女に、
「私たち、困ったことがあったらいつでも助けるから、その代わり私たちのことも助けてね!!」
なんて言って、彼女を利用しようと企てていた。
まあ、彼女は右から左へ聞き流していたようだったが。
そして、いよいよお開きになった。
私は私で、当時の生徒会のメンバーと話したり、同じクラスの人と話したりして、それなりに充実した時間を過ごせた。
でも、彼女とは話せなかった。
まあ彼女も彼女で充実した日々を送っていることが分かったから、私はそれでいいや、と思い、その場を去ろうとした。
「か、
そう呼び止めてきたのは、
あの当時と変わらない、彼女だった。
硝子細工 こもりる。 @comoriru_
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