硝子細工

こもりる。

彼女と私

彼女と私の出会い

彼女と私は高校時代に出会った。


彼女はいつも目立っていた。

クラスではいつもみんなの中心にいて、信頼されていた。

部活動ではバトミントン部に所属して、全国大会出場という創部以来初の偉業を成し遂げた。

勉強も進学校でありながらも、常に片手に入る順位だった。


一方の私は、生徒会の副会長を1度やったこと以外は、勉強もそこそこで、あまり目立つような生徒ではなかった。


それなのに、彼女は私とばかり遊んでいた。



ある日、私は彼女に、

「他の子とは遊ばなくていいの?」

と聞いた。


彼女は、










『私は弱い人間なの。来るべき時が来てしまったら、私は壊れてしまうの。』


と言った。


知りたかった答えとはまるで違っていた。

けれども、彼女にそれ以上なにも言えなかった。


いつもと同じ彼女だったのに、この時だけは、何か彼女ではないような心地がしたから。







それからも何事も無かったかのように彼女と私は遊んでいた。


だから、彼女のあの言葉も、もう忘れかけていた。



彼女とまた再会する、高校を卒業して2年目の夏まで。

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