三作品をヨム
まず、一作目はこちらです。詩集参加で指定もないから勝手に選んだ作品です。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885706127/episodes/1177354054885706191
詩集 韻踏詩 作・中田祐三
丁寧に詩集タイトルの言うように韻が踏まれている。内容としては過去の痛ましい記憶のなかでも星空はうつくしかったという、変わらないものを歌っている。人間の境遇とは関係なく、物事は偶然にそのように在る。そんな作品だ。韻を踏むという意味ではラップ的で良いリズムを生み出す所はあるが逆に韻の踏み方がありきたりになりかねない難しさを感じる。しかし、ラップ詩と考えたとき面白い可能性も感じる。
次はこちらです。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054891221988
アンテリナム それはまるで、はかなくも消えゆく
作・三上コシカ
アンテリナムと言えば金魚草だと思うのだが、なかなかこの詩は読み解きが難しい。もちろん詩を読むことと読解は一緒ではないのでこの不思議な言葉の反響を楽しんでもいいのだが、やはり意味に触れたくもある。見上げた先にある波紋やひろがりというフレーズに花火を連想したのだが、その後の鏡の迷路、比喩でなくテーマパークのなかだという直接的な説明も浮かんだが、どうにも晩夏の金魚と繋がらない。金魚と言えば夏だが金魚草は9月から10月、まさに晩夏である。つまり金魚草の花を見て夏の想い出をランダムに連ねているのかもしれない。モダニズムやシュルレアリスムのような手法なのだろうか。ただその喩や詩句の響きあいが一本の弦のように繋がり全体が震えて響いてくる。今、読んでいるモダニズムの詩人・左川ちか、を思わせる不思議な魅力を感じた。アンテリナム、というタイトルのつけ方もそれを助長している。正直、こういう詩を読むと己の読解力の無さに情けなくなるのだが、いつかもう一度、読解に挑戦してみたいと思う。
さて三作目はこちらです。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054891504822/episodes/1177354054891504904
助けてあげる 作・坂本ゆうこ
自分で自分の首を絞める、という慣用句があるがほぼそのままの作品である。具体的なものは見えてこないが、人間というのはときに自分で自分を追い込んだり自傷したりするもので、それに気づいていない人は良くいる。この詩ではそれに気づくのだけれど、そのじわじわと自分で自分を追い込むギリギリの感覚に浸っている。助けてあげる、というのが解放されることのない苦しみと書かれたもの、生、か生活からか。まぁ、何か悩みでもあるのだろう。そんな呟き的なものを感じる。熱量は確かにないですね。詩、とするなら描ききれていないように思える。
はい、ということで今回は三作品を読み雑感を書かせて頂いた。個人的には二作目のアンテリナムが一番興味を惹かれました。
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