らぢおはいしんにっき

第2話 ありがとう大好きな人

ネット配信で恋みたいな気持ちは持ってはいけないけど。

いま一番好きな人がいます。

ミュージック枠という所で弾き語りやカラオケで歌っています。

何年も前からその人は配信されていたはずなのに、何故か今まで気付かずにいました。

わたしは歌ってる人もよくフォローして応援しています。

なのに何故、今まで見つけられなかったのだろうと思うくらい、素敵な歌声と、優しい目をした人がいました。

この人すき。

でも、コメント出来ませんでした。

それは、なぜかと言うと、わたしはフォローする時、ルームの配信者さんから名前を呼ばれて、挨拶してからフォローしたいなと思えばするのです。

その方のルームの雰囲気というものもあり、とても人気で、コメントなんてできない感じがありました。

たまに配信しているのを見かけたら、少しだけ歌を聴かせてもらい、黙ってルームから出ていきます。

ある日のその日も、たまたま配信しているのを見かけて、ちょっとだけ、聴くつもりでした。

星と言われる無料ギフトは、既にフォローしている配信者さんに投げてしまい、手持ちに何も残っていませんでした。

だけど聴いてて、聴くだけでいいのかなというくらい、素晴らしい歌声に、何か投げたいと思いました。

ギフトには、有料ギフトというものもあります。歌っている方に投げる音符のギフトもあり、それを100個投げました。コメント欄には表示されないギフトです。

有料ギフトで表示されるものもあります。目立ちたくないので、表示されないギフトを投げていました。

「桜庭さん音符ありがとうございます！」

その方、ユタカさんはそう言ったんです。

「こんばんは。見つかったー」

わたしはそうコメントしました。

「見つけました」

「星がないのでギフトで」

星はもう投げる人を何人か決めてあったので、そしてお節介なわたしは、たくさん星イコールポイントが入らないと達成しないイベントに参加している人を「達成させよう！」などと言ってしまうのです。

ユタカさんも厳しいイベントに参加されてました。

ユタカさんに投げたい！そう思ってても出来ません。

「さくらばさんも配信されてるんですね。今度遊びに行きますね」

「無理無理無理無理無理無理」

「え？何が無理？」

「恥ずかしいから」

ほんとに無理です。

絶対来ないでください！

ユタカさん！

続く