Someday(完)
12月も中旬を過ぎ、いよいよ眞紀が大阪へ帰る日が近づいて来た
僕はこれまでと何も変わらず
果敢に眞紀のスケジュールを貰って、できる限りデートを重ねていた
眞紀が行ってみたいと言っていた店で食事をしたり
二人で夜中に飲んだ店でランチしてみたり
きっかけをくれたメンバー(斎藤さんと津島)を加えて飲みに行ったり
眞紀の休みの日に最寄駅まで行ってランチしたり
可能な限り眞紀と逢った
これまでと変わらないテンションを保ちつつ
12月27日
眞紀の送別会が行われた
当然だが僕と眞紀の関係は誰も知らない
今後も誰にも言うつもりもない
ごく自然に二次会まで終え、各々の帰路についた
何人か間に挟んでいたが、僕は眞紀と目を合わせ軽く頷いた
眞紀も僅かに頷いてくれた気がした
時刻は22:30
僕は東横線のホームの一番前で眞紀を待った
来てくれるかどうかはわからない
来なくても仕方ない
ラインも送らずに、僕の頷きだけで来てくれると信じて待った
もし来なくても、それはそれだと思い待った
そしてその時はすぐに訪れた
小走りで近づいて来る眞紀
両手を広げる僕
1分くらい経っただろうか?
僕 本当に最後だね
眞 うん
眞 本当にありがとう
眞 好きになってくれてありがとう
眞紀の頬を伝う涙
僕は再度、眞紀を抱きしめた
眞 ワイシャツ汚れちゃうよ
僕 そうだね
眞 大丈夫なの?
僕 大丈夫ではないだろ
眞 どうするの?
僕 脱いで捨てるかな
眞 バカなの?
僕 そうだよ
眞 私も・・・
眞紀が泣き止むのを待ち、一緒に電車に乗って眞紀の家の近くまで送り届けた
僕 お疲れ様でした
眞 ・・・
僕 じゃあ
眞 ・・・
眞 もう少し
僕 今日はもう無理
僕は眞紀に背を向け大通りへ向かいタクシーに乗った
僕は振り返る事が出来なかった
僕の頬にも流れるものがあったけど、眞紀に見せるわけにはいかない
僕はバカな男だが・・・
バカにもバカなりの美学はある
家についた時には妻は既に寝ていた
僕は改めて顔を洗いながら泣いた
そして寝る間際にも布団の中で泣いた
眞紀の全てを洗い流すように泣いた
翌日携帯が震える
眞:昨日はありがとう
僕:うむ
眞:1つ聞いていいかな?
僕:許す
眞:昨日、最後泣いてたよね?
僕:泣いてないよ
眞:嘘つき
僕:泣いてない
眞:本当に?
僕:神に誓って
眞:そういう事にしておいてあげる
僕:ありがとう
眞:やっぱり泣いてるじゃん
僕:きたないぞ!
眞:バカだね
僕:それは認める
僕:でも眞紀もバカだろ?
眞:認めます
眞:バカはバカ同士だもんね
僕:わかってればよろしい
眞:落ち着いたら連絡するね
僕:うん
眞:こっち来るときは逢おうね
僕:いつでもOK。期待してないけどw
眞:うふふ
僕:ガハハ
この後も小一時間くらい意味のないやりとりは続いたのだがキリがないので省略
こうして約4か月の僕と眞紀の恋人ごっこは終わりました
最後まで僕は眞紀に夢中だった
本当に楽しかった
僕は眞紀との事を生涯誰にも言わない
眞紀もそうするだろう
これからもお互いの生存確認のような連絡は年に何回か取るだろう
正月とお互いの誕生日くらいだろうから年3回くらいかな
そしてもし、お互いが一人で暮らすような事になったとしたら
それは死別かもしれないし、離婚かもしれない
僕は妻以外との人生を選ぶつもりはないし、眞紀に不幸になって欲しいとも微塵も思わない
でもやっぱり僕は、いつか眞紀と暮らしてみたい
魔性の女・眞紀
眞紀
真木さん
マキマキ
名前も知らないイスラム美女
その時に眞紀がどんな反応をしても
僕は全力で口説く
渾身の力を込めて、全力で口説く
マリーンルージュで愛されて 小川三四郎 @soga-bee
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最愛/小川三四郎
★0 エッセイ・ノンフィクション 連載中 4話
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