朝になれば

裸眼の機織はたおり機が

僕の景色をジグザグに塗り込んでいく

歯痛みたいな夜を描いては

溜め息さえも凍る街並みに 小さな小さな僕を呼ぶ


シルクの雪に月の弓はなお光る

風の矢は僕の瞳に溢れる水面みなもを揺らして尚ぎる


朝になれば どう変わるだろうか

たった一つの 僕の氷のタペストリー

夢色の空をガリガリと噛むその力で

何もかもくなってしまうのではないかと

──僕はまた叫ぶのではないかと──

昇りつつある血の色の太陽を眺めて思う







さあ それでも僕は行こう

新たな一日が 今日も歩き始めてくれたのだから




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新詩集 第二巻 もざどみれーる @moz_admirer

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