放浪者の即興歌

ダイヤみたいな硬さで 

夜の荒波を乗り越えたのに

一筋の赤い雲に怯えている

僕のあべこべの勇気はすぐに逃げた


ワイドショーの砂嵐

気が付いてももう遅い

例え自分がどんなに

体裁を繕っていたのだと嘆いても


あの日の手袋なら覚えている

今日は素手のままで凍えている

からかいのマリオネット

やり方を忘れて夜の白鳥みたい


世界が眠りそうだね

本当に終わりそうだね

いつかまた逢いましょうと

呟く馬鹿に僕はいつまでも夢を見る



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る