現代

モダンなトレンドの風に吹かれて

昔日の躊躇ためらいがシャリシャリ尖りながら

躊躇いなく優雅に僕を突き刺してくる

──ねえ まるでキミのようじゃないか


金切り声の日常の中で

メッキの血が戸惑いながら剥がされてゆく

裸の迷路に病み・・が落ちてくる

躊躇いを忘れて一息ごとに戻ってくる

誰がどの他人ひとの指をえぐっているのか

もはや覚えている者は何処にもいない


思考によって 科学によって

病み・・の森は深い霧を立ち込める

──分厚い雲の向こうの景色を

いとも愉快にあぶり出すことによって!


星の一角獣は 尚も静かに惑乱する

不可思議は今日も服を掃き捨てられる

かろうじて糸をる倫理の老婆は

いつしか時代ときの濁流にほだされて

未知の穴蔵に埋められる

──ねえ まるでキミのようじゃないか


這い出す人は眼をられ

嗅覚はうの昔にかびだらけ

耳はがれて 朽ちばかりが達者になった……


ああ 本当の僕は

いったい今 何処にいるのか





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