第222話 なずな、逮捕です
女の子は去り、どこからか現れたみこさんとベンチに座る。
改めて見ると、やはり最近できたばかりなのかとても綺麗な公園だった。
遊具もカラフルで、他の公園よりも明るく感じる。
そして遊具の種類も豊富だ。
まるで運動公園みたいな感じで、とてもただの公園には見えなかった。
もしかして街の方でこういうことに力を入れるようになったのだろうか。
まあ、誰が管理しているのか知らないけど。
でも良いことだと思う。
もしかしたら思っているより素晴らしい街に住んでいるのかもしれないね。
「それにしてもみこさん、本当にどこからでも現れますね」
「ふふふ、なずなさんのためならば」
「いや、それにしたってできることとできないことってあると思うんですよ」
「以前に言ったではありませんか。いつでもおそばにいますと」
「そんなこと言ってましたっけ?」
「あら、ひどいですね」
「すみません」
言われたかな?
近いことは聞いたことあるような気がするけど。
まあいいや。
確かにちょっと怖いけど、見守ってくれていると思えば良いことかもしれない。
プライバシーが守られていればだけど。
さて、さっきの女の子は逃してしまったわけだけど、女の子はひとりじゃない。
他にも公園にはたくさんの女の子がいるわけだ。
誰か私と仲良くしてくれないだろうか。
そう思いながら、私は電子書籍を読むフリをする。
あ、さっきの女の子を発見!
そしてそのお隣の子も相当にかわいい。
お近づきになりたいところだけど、さっきので警戒されるかもしれない。
あのグループはやめておくとしよう。
他にはいないか。
あっちのグループはどうだろう。
……。
おおっ!
この街にはかわいい子しかいないのか。
またまた天使のような女の子を見つけた。
行くか。
右手にクッキー、左手にまんじゅう!
少女のハートを皆ゲッサ―!
なずなです!
「お嬢さん、クッキーとおまんじゅうはいかがですか?」
「……何やってるんですか、なずなさん」
「おっと~! かわいい子がいると思ったらひまわりちゃんだった~!」
そう。
さっき見つけた天使というのはひまわりちゃんのことだ。
柑奈ちゃんたちとは別行動みたい。
まあ、当然そういう日もあるだろう。
今日一緒にいるのは、確か野球仲間の子だと思う。
前に一度会ったことがある。
名前も知らないけどね。
「この人、見たことある。ひまわりちゃんのお姉さんだっけ?」
その女の子が近づいてきてひまわりちゃんと話す。
「柑奈ちゃんのお姉さんだよ」
「そうなんだ」
ひまわりちゃんが訂正すると、その女の子はこちらをじろじろと見てくる。
なんだか照れるなぁ。
「おっぱいすごい!」
そこかい!
「まあね」
「触っていい?」
いきなり何言ってるんだこの子……。
なかなかいい性格をしているじゃないか。
好きだぞ、そういう子。
「別に触ってもいいよ」
「本当に!?」
「そのかわり私もあなたのお胸触るね?」
「え……」
女の子の笑顔がかたまる。
やっちまったか?
「おまわりさ~ん!!」
「ちょっ、ちょちょちょ! おかしいでしょ!」
先に触りたいとか言ったの、そっちなんですけど!?
「くっ、こうなったらやることやってずらかるぜ」
「はい、おまわりさんですよ~」
「はやい!?」
くそ!
私の人生ここまでか!
……って、私何も悪いことしてなくない?
私、悪くないよねぇ~?
「って、めぐりさんじゃないですか」
現れたおまわりさんは、知り合いのめぐりさんだった。
セーフ!
「なずなちゃん、気を付けてねって言ってるのに」
「めぐりさんが助けてくれるって思ってますから」
「まったくもう。じゃあ揉んでもいいってことね」
「は?」
突然私の胸に伸びてくるめぐりさんの手。
なんという事だ。
事案発生です。
「じゃあ私も揉みますね」
ということでお返しをする。
「はい、逮捕」
「ええええええ!?」
なんでええええ!?
私の手にかけられる手錠。
そして反対側はめぐりさんの手に。
「ふふふ……。これでずっと一緒だね♪」
「……」
女子高生白河なずなは女子小学生がお好き! 朝乃 永遠 @natunoumi
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