謝瞻4 謝氏の三絶
先にも書いたことだが、
その名声は、
と言うレベル。謝氏においても
サイキョーであったといえる。
ついでに言うとこの三人、
ほぼ同世代である。
そんな彼らのうち、
現在にまで残る名前として
ダントツなのは、謝霊運である。
が、かれの人品はなかなかのもの。
自らに才能があるからと、
周りの人を、まーけなすけなす。
謝混としては、謝霊運のその側面を
抑え込みたいと思っていたのだが、
なかなかにうまくいかない。
なので謝混、謝瞻に依頼した。
「謝瞻、おまえなら
どうにかできるんじゃないか?」
ある日
と言った面々と遊びに出た時、
謝瞻と謝霊運が同じ車に乗るよう図られた。
さて、車に乗った謝霊運。
いきなりけなしトークをぶっぱなす。
お前……。
ふむ、と謝瞻、おもむろに言うのだ。
「
かれの評価は様々だな」
祕書郎とは、謝霊運の父、
かれには才能がなく、しかも夭折した。
謝霊運によってけなされた人々は、
お返しとして、謝霊運をけなすだろう。
本人だけならばいい。
だが、その時には一緒に父親まで
対象になりうる。
才気渙発な謝霊運に対する、凡庸な父。
父がどのように語られるかなど、
想像を絶する。
そのことに気付いた謝霊運、
むぐっと言葉に詰まった。
以降かれのけなしトークは
鳴りを潜めていくのだった。
瞻善於文章,辭采之美,與族叔混、族弟靈運相抗。靈運父瑍,無才能,為祕書郎,早年而亡。靈運好臧否人物,混患之,欲加裁折,未有方也,謂瞻曰:「非汝莫能。」乃與晦、曜、弘微等共遊戲,使瞻與靈運共車,靈運登車,便商較人物,瞻謂之曰:「祕書早亡,談者亦互有同異。」靈運默然,言論自此衰止。
瞻は文章を善くし、辭采の美は、族叔の混、族弟の靈運を相い抗す。靈運が父の瑍は才能無く、祕書郎と為るも早年にして亡ず。靈運は人物の臧否を好み、混は之を患い、裁折を加えんと欲せど、未だ方ずを有せざらなるに、瞻に謂いて曰く:「汝に能莫きに非ず」と。乃ち晦、曜、弘微らと共に遊戲せるに、瞻をして靈運と車を共とせしめ、靈運の車に登るに、便ち人物を商較せば、瞻は之に謂いて曰く:「祕書の早きに亡きたるに、談者は亦た互いに同異有り」と。靈運は默然とし、言論は此より衰止す。
(宋書56-4_規箴)
南史では謝瞻、謝混、謝霊運の三人を、
それにしてもここでも緩衝材みたいな働きを示していますね謝瞻さん。つーか謝混は謝混で性狷介だったってのにね。その謝混にすら危ぶまれるとか、どんだけだったんだよ謝霊運。
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