劉鍾2  孟龍符回収   

南燕なんえん征伐に従軍した時のことである。

攻め上る途中の戦役で、

孟龍符もうりゅうふが敵に囲まれ、殺された。


劉鐘りゅうしょう、ただちに決死隊を編成。

敵陣に突撃をかけ、

孟龍符の死体を回収してきた。

この功績から、孟龍符の代わりに

廣川こうせん太守に任じられた。


盧循ろじゅんが攻め上ってきたときのこと。

徐赤特じょせきとくが命令違反の上、敗走。

大いに崩れた防衛柵に劉鐘は出向き、

重症を負いながらも、守りきった。


盧循が敗走すると、

王懿おういらと共に追撃をかける。


行く手を阻むのは、范崇民はんすうみん

南陵なんりょう近辺で、川の両岸に陣を敷き、

川面には高艦を浮かべる、という陣容だ。


劉鍾は自ら偵察を敢行。

折しも霧深き時候だった。


だが、偵察は露見する。

劉鐘らの乗っていた船が、

五斗米道羣の拘束具に

絡め取られてしまったのだ。


そこで劉鐘、威力偵察を強行。

五斗米道軍に攻撃を仕掛け、

片岸の敵を船の中に追い込んだ。


そして一度引き返すと、

改めて王懿とともに攻撃を仕掛ける。

体勢を崩された范崇民は、敗走。

劉鍾はそのまま数十キロほど追討し、

敵軍の船を焼き払った。


その後劉藩りゅうはんとともに始興しこうを攻め、

徐道覆じょどうふくを討ち果たした。


この頃、孟懐玉もうかいぎょくが死亡。

そこで劉鐘、孟懐玉に代わり、

石頭城せきとうじょう守備の任務についた。




從征廣固。孟龍符陷沒,鍾率左右直入,取其尸而反。除振武將軍、中兵參軍,代龍符領廣川太守。盧循逼京邑,徐赤特軍違處分,敗于南岸,鍾率麾下距柵,身被重創,賊不得入。循南走,鍾與輔國將軍王仲德追之。循先留別帥范崇民以精兵高艦據南陵,夾屯兩岸。鍾自行覘賊,天霧,賊鉤得其舸,鍾因率左右攻艦戶,賊遽閉戶距之,鍾乃徐還。與仲德攻崇民,崇民敗走,鍾追討百里,燒其船乘。又隨劉藩追徐道覆於始興,斬之。補太尉行參軍、寧朔將軍、下邳太守。代孟懷玉領石頭戍事。


廣固を征せるに從う。孟龍符の陷沒せるに、鍾は左右を率い直ちに入り、其の尸を取りて反る。振武將軍、中兵參軍に除せられ、龍符に代りて廣川太守を領す。盧循の京邑に逼りたるに、徐赤特が軍が處分に違い、南岸にて敗るるに、鍾は麾下を率い柵にて距し、身に重創を被えど、賊は入りたるを得ず。循の南走せるに、鍾と輔國將軍の王仲德は之を追う。循は先に別帥の范崇民を留め精兵高艦を以て南陵に據し、兩岸に夾屯す。鍾は自ら行きて賊を覘き、天に霧し、賊は其の舸を鉤得したれば、鍾は因りて左右を率いて艦戶を攻め、賊は遽て戶を閉め之を距まば、鍾は乃ち徐ろに還る。仲德と與に崇民を攻まば崇民は敗走し、鍾は百里を追討し、其の船乘を燒く。又た、劉藩に隨い徐道覆を始興に追い、之を斬る。太尉行參軍、寧朔將軍、下邳太守に補せらる。孟懷玉に代り石頭戍事を領す。


(宋書49-8_胆斗)




劉鍾のエピソードで一番好きなやつ。戦没した孟龍符の死体を回収して戻ってくるとかあーた、あーた……! 孟龍符の死に方って包囲を受けてタコ殴り、だったから、その包囲を突破するのも大変だったはずなんですよ。なにこの人の漢気……! まぁそんな次第で、うちの小説では劉鍾(aka虞丘進ぐきゅうしん)と孟龍符がワンセットっぽくなっておるのです。あっ小説のネタバレしちった☆

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