朱齢石2 叔父を殺す   

朱齢石しゅれいせきは若い頃から武技に長けていたが、

その性格は軽佻浮薄であった。


母の弟、淮南わいなんしょう氏は

愚鈍な人物であり、朱齢石を恐れ、

いつも言う事に大人しく従っていた。


例えば公衆の面前で、

蔣氏を枕の上に寝かせ、

そこから朱齢石、2メートルほど離れ、

ナイフを枕に投げつけたりする。


ナイフは百発百中でこそあったものの、

蔣氏としては、

生きた心地がしなかっただろう。


もちろん、動けば朱齢石に

何をされるかわからない。

だから枕から

頭を上げるわけにもいかなかった。


その後の蔣氏、朱齢石に殺されている。

かれの頭にはこぶがあったのだが、

ある時朱齢石、そのこぶを

かち割ってしまったのだ。


即死であったという。




齡石少好武事,頗輕佻,不治崖檢。舅淮南蔣氏,人才儜劣,齡石使舅臥於聽事一頭,剪紙方一寸,帖著舅枕,自以刀子懸擲之,相去八九尺,百擲百中。舅雖危懼戰慄,為畏齡石,終不敢動。舅頭有大瘤,齡石伺舅眠,密往割之,舅即死。


齡石は少きに武事に好むも頗る輕佻にして、崖檢を治めず。舅の淮南の蔣氏は人才儜劣にして、齡石は舅をして一頭を聽事に臥さしめ、紙を方一寸に剪き,舅が枕に帖著し、自ら刀子を以て之に懸擲せるに、相い去ること八、九尺にして、百擲し百中す。舅は危懼戰慄したりと雖ど、齡石に畏れを為し、終には敢えて動かず。舅が頭には大瘤有り、齡石は舅が眠りたるを伺い、密かに往きて之を割り、舅は即ち死す。

(宋書48-2_武技)




なんだこいつ(なんだこいつ)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る