孟龍符1 幹力絕人    

孟龍符もうりゅうふ

 既出:沈田子1、向靖1



孟龍符は孟懷玉もうかいぎょくの弟だ。

勇猛果敢、超人的な筋力の持ち主。

若いころから遊侠の徒とつるんでおり、

その存在感は、早い頃から

劉裕りゅうゆうの目にも止まっていた。


京口けいこう奪還の辺りで、劉裕は孟龍符を

幹部として取り立てた。


江乘こうへい羅落橋ららくきょう覆舟山ふくしゅうざんの三戦、

いずれでも大手柄を挙げる。

その功績から、平昌へいしょう県の五等子に。

さらに寧遠ねいえん將軍、淮陵わいりょう太守に任ぜられる。


桓玄かんげん追討戦では劉藩りゅうはん向靖しょうせいとともに

桓歆かんいん桓石康かんせきこうを攻め、討ち取った。


それにより建威將軍、東海とうかい太守に。

東海郡と言うことは、

南燕なんえんとの最前線近くだ。


その頃南燕軍の斛蘭こくらん索度真さくどしん

国境付近を荒らして回っていた。

そのため彭城ほうじょうはい郡辺りの民は

つねに怯えていた。


劉裕、孟龍符と劉道憐りゅうどうれんを派遣。

ふたりの軍は、一戦のもとに

南燕軍を打ち破る。


その後斛蘭を追って

光水溝こうすいこう付近にまで到達。

いくつかの怪我を負いつつも、

斛蘭を追い払った。




龍符,懷玉弟也。驍果有膽氣,幹力絕人。少好游俠,結客於閭里。早為高祖所知,既克京城,以龍符為建武參軍。江乘、羅落、覆舟三戰,竝有功。參鎮軍軍事,封平昌縣五等子,加寧遠將軍、淮陵太守。與劉藩、向彌征桓歆、桓石康,破斬之。除建威將軍、東海太守。索虜斛蘭、索度真侵邊,彭、沛騷擾,高祖遣龍符、建威將軍道憐北討,一戰破之。追斛蘭至光水溝邊,被創奔走。


龍符は懷玉が弟なり。驍果にして膽氣有り、幹力は人を絕す。少きより游俠を好み、客と閭里にて結ぶ。早きに高祖に知らる所と為り、既にして京城を克かば、龍符を以て建武參軍と為す。江乘、羅落、覆舟の三戰にて、竝べて功有り。鎮軍軍事に參じ、平昌縣五等子に封ぜられ、寧遠將軍、淮陵太守を加えらる。劉藩、向彌と桓歆、桓石康を征し、破り之を斬る。建威將軍、東海太守を除せらる。索虜の斛蘭、索度真の邊を侵したるに、彭、沛は騷擾す,高祖は龍符、建威將軍の道憐を遣りて北に討たしめ、一戰にて之を破る。斛蘭を追いて光水溝が邊に至り、創を被るも奔走す。


(宋書47-7_暁壮)




孟龍符は不思議な人です。宋書の中で、劉裕にその死を悼む声明を挙げられてるのって劉穆之、王鎮悪、そしてこの孟龍符くらいなんですよね。どんだけ愛されてたのかしらと言う感じ。


あと、他の将軍たちって出身からいきなりどう劉裕と合流するかにかっ飛ぶんだけど、なぜか彼はその武威が先に語られる。この辺も、「劉裕の懐刀」としての存在感がデカかったのかもな、と言う気にさせられます。

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