あとあがき

 なかなか長いものになりましたが、最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。

 これは、高校生のとき見た夢をもとに書いた話です。

 当時、フォルクローレというジャンルの音楽に夢中だったのですが、初期の頃聴いて感銘を受けたCDの解説を読んでいたとき「この夫婦は交通事故で若くしてこの世を去りました」ということを知り(生きていれば現役で活躍していたであろうに)、衝撃を受け、なんだか私の中で、秋やフォルクローレ、青い空の組み合わせが「他界」というキーワードと結びついてしまっているような気がします。

 夢では、ふらふら喫茶店へ行って(高校生の私は喫茶店なんて入ったことはありませんでしたが)、なぜか車でどこかの文化祭へ行ったら先生がプライベートな知り合いの人たちとフォルクローレの演奏をしていて、それからしばらくしてその店へ行ったらもうお店はなくなっていた、くらいの流れだった気がしますが、もはやよく覚えていません。 

 当初は私の中で、セレステ「青い空」という曲がこの物語のテーマソングだったので、タイトルも「青い空」にしようかなと思っていたのですが、実はその曲の本当のタイトルは違うものだったとか、曲の間奏が違う曲のものとごちゃまぜになっているだとか、なんだか話がややこしくなってきたので、全然違うタイトルにしました。まあ、どちらでも当てはまると思うので、よしとしています。

 私は高校生の頃、家にいるよりも高校にいるほうが楽しかったのですが、南米や北海道へ行きたい住みたいと思っていたこともあり、なんだかこんなお話になったのかもしれません。この小説を書いた時点では北海道で暮らした経験はあったものの、南米へは行ったこともなく、私にとってはまだ見ぬ憧れの地でした。その後、何度か南米へ行くことができ、短期間ですが住むこともできたのですが(住むのと泊るのと、どう違うのかは人によって定義が違うかもしれませんが)、マスターが「南米へ行ったことはないけど、憧れてはいる」という状況を書くには、自分が行く前に書いておいてよかったのだろうと思いました。マスターも行けないことはなかったのでしょうが、それよりも残された時間を家族と暮らすことを選んだのでしょう。

ちなみに、エブリスタというサイトに『草木愛ずる姫君』という小説を載せており(事情があってしばらくはこちらに掲載できないのですが)、本作品に出てくるはじめ君のその後が垣間見れます。

 彼がどう成長するのか、そもそもなぜあの夫婦とはじめは一緒に暮らすようになったのか、それはまた長い話になるのですが、またいつかご紹介できればと思います。


 最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。

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コーヒーのおいしい店 高田 朔実 @urupicha

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