11 幸せの青い鳥
旅の終わり
……ただいま。
目を覚ますと、私は鳥ではなくなり、いつの間にか、元通りの人間に戻っていた。
見ていた夢の記憶は、意識がはっきりしてくるのと同時に、だんだんと私の中から消えていった。
私は「うーん」と言って、両手を伸ばして、真っ白な見慣れたふかふかのベットの上で笑顔で気持ちよく背伸びをした。
そして今日も、窓から差し込んでくる眩しい太陽の光の中で、一日を頑張って生きることを始めた。
……素敵な夢だったな。
もうあんまり覚えていないけど、かすかに残っている幸せな気持ちの中で、そんなことを私は思った。
それから私は洗面台の鏡の前で歯を磨きながら、これからも、ちゃんと、しっかりと生きていこうと思った。
エピローグ
夢の続き
幸せの青い鳥
窓の外では一羽の青色の鳥が、同じ色をした青色の空の中を、穏やかで透明な風と一緒に飛んでいた。
「おめでとう。頑張ったね」あなたが言った。
「ありがとう」私は言った。
「ねえ、この子の名前、なんにするの? お母さん」子供の鳥が私に言った。
私はもうずっと前に(あなたと一緒に)子供の名前を考えていた。
私は子供の鳥に「この子の名前は、……愛よ」と答えた。
「……愛」にっこりと笑って、子供の鳥は言った。
「おはよう、こんにちは、愛!」と子供の鳥が生まれたばかりの『愛』に言って、そして、この子は私たち家族の本当の愛になった。
鳥になる 終わり
鳥になる 雨世界 @amesekai
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます