愁いを知らぬ鳥のうた

ぴおに

第1話

 小さい頃に虐待を受けて

 児童養護施設に入り18歳で施設を出た

 友達は一人もおらず虐められた


 大人になっても仕事は続かない

 日雇いの帰りに襲われた

 首を絞められて気を失い

 気がついたら金がなくなっていた

 その日の現場にいたヤツだった


 金も食べるものもなくなって

 人の家に入って金や食べ物を盗む


 ある日入った家に人がいた

 殺した

 そうか殺せばいいんだ

 見つかっても殺せば逃げられる


 三人殺したあと捕まった

 僕はいま拘置所にいて

 死刑になるのを待っている





 捕まった時の所持金は0だった

 拘置所では三食たべられる


 死刑が決まってから面会に来る人がいた

 ジャーナリストだった

 外にいた頃は

 誰も僕の話なんて聞かなかったのに

 今はみんなが僕の話を聞きたがる

 警察

 医者

 裁判官

 ジャーナリスト

 こんなに人と話すのは初めてで混乱した







 その日ジャーナリストが面会に来て言った




「おめでとう」




 僕の誕生日

 生まれて初めてだった

 嬉しかった






 どうしてこうなったのか

 よくわからない

 どうすればよかったのか

 よくわからない




 僕は今

 死刑を待っている

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