新章 第2章 都市伝説
「シジンとセイジン?なんだそれ」
坂野は都市伝説好きの稜斗のことなので、しじんが詩人ではないだろう、と思いながら聞き返す。
「漢字で書くとね、死んだ人と生きてる人って書くんだよ。」
「死んだ人と生きてる人?そのまんまの意味じゃないのか?」
「違うから裕太に話してるんじゃないか。」
「まあ確かに。」
坂野はやっぱりといった表情になる。
「でね、そのうち生人ていうのは僕達のこと。」
「僕達?」
なんだそりゃと思いつつ松野の方を坂野が見ると、その反応待ってました、とばかりに嬉しそうな表情を浮かべている。
「つまりまあ、この世界のほとんどの人は生人なんだよ。でもごくたまに死人って人がいるんだ。そう言われる人達がぼくらに混じって普通に生活してるんだよ。」
「???人の皮を被ったゾンビ?」
「映画とかゲームのゾンビみたいに人食べたりしないし、なにより死んだ人が生き返ってるじゃなくて、普通に生きてるのさ」
松野が全く何を言っているのかわからない坂野はだんだん聞く気がなくなってきていた。
「で、そいつらは何するの?」
と呆れつつ聞くと松野は目をキラキラさせて語り始める。
「別になにもしないさ。人を食べることもなければ襲うことも無い。ただ、寿命が極端に短いんだ。」
「寿命?」
「そう、20歳の誕生日の23時59分59秒に突然死ぬんだよ。その時の死因はそのときの状況に左右される。たとえば外歩いてたら車に轢かれたり、家でじっとしてたら心臓麻痺だったりね。」
「デスノートかよ……」
「都市伝説なんて全部そんなもんだよ」
死への恋路 森唄 鶴人 @morinana
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