5
お通夜などは終わったが、真由子には日に日に悲しみが襲ってくる。何も出来ず、ただボーっとした時間を過ごすしか無かった。
音楽活動なんて、とてもではないが手をつけられる状態ではなかった。
そんなある日のことだった。真由子の目の前にアキが居た。いつもと変わらないアキだ。
「悲しい顔しないで、真由子。私は真由子のそんな顔見たくないよ。真由子は笑顔が似合うんだから。絶対に有名になってよ、私の分まで。」
アキ……!真由子は手を伸ばそうとしたら、アキは目の前から消え、気づいたら真由子はベッドの上だった。
「夢か……。」
せっかく会えたのに、夢だということに落ち込んでしまった。
「でも。」
ずっと落ち込んでいたらダメだ。笑顔の私で居なきゃ。……そして、このままだとアキとの最後の約束を破ってしまう。
「有名になるからね、アキ。」
涙をこらえて外を見上げると、綺麗な満月が浮かんでいた。
「有名になってよ。応援してるから。」
と、まるで真由子の目の前には、アキが居るような気がした。
君との約束 みたに ゆづき @ydk_m
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