好きになってはいけない人

@tamagobo-ro

第1話

 『好きになってはいけな人』

 これは、部活動顧問の先生に恋をしたある女の子のお話です。りこは、部活動でいつも体調を崩してしまい親友・先輩・先生に助けてもらいます。体調を崩すと、手足に力が入らなくなったり、体全体に力が入らなくなったりします。部活動をしたら、歩けなくなるのは当たり前と言ったところですかね。前置きはこのくらいにしといて本題に入りましょう。(りこ目線で書いたお話です。)

 

 せんせいはきっと私の気持ちに気づいていない…。

 

 知っているから、相談している時も苦しくなってしまう。相談する場所はいつも職員室。二人きりの空間を作ってくれる。相談できることよりも、二人で入れることが嬉しくて、ついテンションが上がってしまう。どんなにテンションが下がっていても、先生は元気づけようとしてくれる。凄く嬉しい。たまに話題も変えて空気が重くならない環境を常に作ってくれる。それは、相談したことがある人しか知らない先生の一面。声も優しいし本気になって考えてくれる。たまに笑顔な先生も好きだ。生徒と先生という関係なのに、何故か近い関係に感じてしまう。それが悪い事かと言われると、自分でも分からない。一つだけわかること。それは、好きになってはいけない人だということ…。

 

 月曜日

 部活動はないけれど、先生の授業がある。とても分かりやすい。だから余計…。黒板ではなく先生を見てしまう。かっこいいから。だいすきだから。伝わらないけど、心の中ではずっと片思いしてます。授業中男子がふざけて、怒ることがある。そこまで本気で怒ったことは今まで無かったけれど、あの時は私が見た中では一番怖かった。チョークを投げるように置き、怒鳴った。眠そうにしていた人もみんな(ビクッ!)って。そろそろ怒られるよって1人で思っていたけれど、あそこまで本気だと私もとても怖かった。先生が

『その辺の人達少し静かに授業受けろ』

って…。私は、その辺のうるさい男子の近くに座っていたから自分も言われてるようで少し嫌な気持ちになった。嫌だったけれどでも仕方ないと思い自分の中では頑張った。さすがに

『私もですか?』

なんて聞けるタイプでもないし。

すごい怖い時間だったけど、先生を見れたからとても嬉しかった。先生を見れるだけでその日一日のやる気が出る。だからそのあとの教科も、頑張れた!

 

 火曜日〜金曜日

 今日から、部活動がある。やりたくない気持ちもあるけど先生に会えるためになら頑張れる。部活動まで先生に会えないけれど、部活動で会えるならと考えてそれまでは頑張って授業を受ける。たまに廊下であった時はとっても嬉しい。挨拶は必ずする。先生も必ず返してくれる。当たり前のことがしれないけどとても嬉しい。掃除が終わり放課後になり、部活動の時間が始まる。いざ始まるとちょっと背筋が(ピッ!)となる。怒らせたくはないからね。でも怒らせないように部活をしている訳では無い。先生は、相談乗ってくれていて私が精神的にも辛いのを知っているからあまり怒らない。みんなには、何かと言う時あるのに私には…。ちょっぴり寂しい。みんなと同じようにして欲しい。

同じじゃないから、先輩はなにか思っているかなぁとひとりで考えると、余計心の中が苦しくなる。一人で考えているだけなのに言われてるような気がしてしまう。部活動の時の先生は強くするために本気で指導してくれる。だから、その期待に応えたくて頑張る。でも、自分の中で頑張りすぎたり、変に力が入ると体調を崩して過呼吸になってしまう。そうすることによって余計先輩や友達、先生に迷惑をかける。それもちょっとこころぐるしくなる。どうしてみんなと同じように出来ないんだろうって…。したくても出来ない自分が嫌いで嫌いで何度も泣いてしまったことがある。

 私が部活中にしてしまったこと。それは、自分自身を抓って気持ちを落ち着かせようとしていた。でも、つねっていることを友達が気づいて、先生と二人で止めようと頑張ってくれていた。今思えばとても失礼なことをしたと思っている。次の日ちゃんと謝りに行ったけどね。抓っても落ち着かなかった。けれど、先生が、

『りこ、抓るのやめろ』

って言って、手を握ってくれた。その時何してるんだろうって、自分が嫌になってまた先生の手を振り払ってつねってしまった。私が思っていたことは友達がわかってくれていて代弁するかのように色々先生に伝えてくれた。みんなに迷惑をかけながらその日はすごした。結局泣いて、過呼吸なって車椅子になっちゃった。車椅子に乗ってたしかあの時は先生が、横にいてくれたんじゃなかったかな。友達が押してくれてたような気がした。しっかりとは覚えていないけど、二人に支えてもらったことはしっかりと覚えている。外にいる時に体調悪くなった時には、お姫様抱っこして校内まで連れていってくれたこと。すーっごく感謝しています。それと、すごく体調が悪くて心拍数が上がってた上に先生にお姫様抱っこしてもらえて、もっと心拍数が上がりました。あのときは、世界で一番幸せな時間を過ごしたと思ってます。

 

 大会当日

 今日は絶対に体調を崩さない!その気持ちで大会に望んだ。しかし、その思いが裏目に出てしまい結局歩けなくなった。でも、先生が気づいて急いできてくれた。友達に支えてもらって頑張って体育館会場から出て、ソファーに座った。その時周りにいた、他校の保護者様達が私を担架に乗せて救護室まで運んでくれた。救護室に行ってから先生と二人になった時に聞いた話だけど、先生保護者様達に

『大丈夫ですよ』

わざわざ伝えてくれていたみたい。でもその時、周りの人は何この人。って感じだったらしい…。ごめんね先生。嫌な思いしたよね。許してとは言わないけど、せめて伝わっていて欲しい。あの時直接言えなくてすみませんでした。先生ずっとそばにいてくれて、話しかけてくれたり、

『水飲むか?』 

って話しかけてくれたり。すごくすごく感謝してます。

 学校で部活動中に体調が悪くなった時は、わざわざ車椅子持ってきてくれてありがとうございます。一人で乗れないこともわかって、乗せてくれたり…。どれもこれも全て先生がいてくれました。

 先生が発している言葉はどれも気持ちが乗っていて、伝わりやすい。だから苦しくなる時もある。本気で伝えてくれてるのに自分の気持ちと対立してしまうから…。相談に乗ってもらった時も、私が

『死にたい』   

って言った時は、

『俺は、死んで欲しくない。死んだら楽になるのはかるけどそれは、りこだけだ。周りの人はずっと苦しみ続けるよ』

って教えてくれた。そのとき、私を必要としてくれてる人っているんだなってわかった。先生と話しているあいだも自傷行為をしてしまう。でもその時気づいてくれて、

『また抓ったのか?』

って優しく問いかけてくれた。でもやっぱり、先生の前でそんなことしてる自分が嫌で余計抓ってしまう。でも先生が近くに来て、つねってないかそばで見てくれながら話を聞いてくれた。

『つねったり切ってるだけ?』

そう聞かれたあと私は、

『安全ピンも刺してます』

そう答えた。ちゃんと先生に嘘つかないで答えられた。少し心が楽になった。その時先生は、『どこに刺してるの?』

って聞いてくれた。絆創膏を上から張っていたから直接は先生見れていないけれど絆創膏のところを指さしてここですって伝えた。そしたら、

『安ピンは、消毒してるの?』わざわざ心配してくれた。でも、消毒なんかしていなかった。だから何も答えなかった。先生はわかってくれた。消毒をしていないことを…。そんなこんなでその日は二時間くらい話を聞いてもらった。どうしても家に帰りたくなくて、私はその場から動かなかった。そしたら先生が、

『大丈夫か?車乗ってくか?』

でも…。乗れるわけがなかった。沢山話し聞いてもらった上に車に乗せてもらうなんてそんなこと…。だから小さい声だったけれど

『大丈夫です。一人で帰ります。』

そう答えた。今思えばあの時乗ってたらな〜って思うけどね。

その時の私はそれだけでも精一杯だった。

 

 それから時間が経って、先輩たちとご飯を食べる機会があった。その時、先輩と友達。先輩と私。そのふたペアに別れて、行動していた。先輩と話しているあいだに、好きな人の話になって、

『りこ好きな人いる?』

って聞いてきて、あ〜!![#「!!」は縦中横]って一人でこころのなかでさけんでた。先輩には

『いますよ』

って答えた。それで話が終わるかと思ったらなんか、自分で好きな人が先生だって口を滑って言っちゃった…。でもそのおかげで沢山話し聞いてもらえて嬉しかった。先輩は

『え〜、かっこいい?笑』

そう質問してくれたけれど、私の中では何よりも一番カッコイイ存在だった。かっこよすぎてどうしていいのか分からなかった。想いを伝えたいけど伝えられない…。先生には奥さんも子供もいるから…。だから告白は出来ないけれど、高校3年間好きでいさせてください。

 

 

 読んで頂きありがとうございました。今回の作品は、わはしが実際に体験した話を元に書いてみました。同じ体験をした人がいたら、先生が彼氏彼女奥さん旦那さんがいなければぜひ、アタックしてみてください!きっと叶うはずです。私の場合、先生に奥さんも子供もいるため告白することは出来ませんでした。でも楽しい生活を送れているので、それもそれでありなのかなって思ってます。ぜひみんなも好きな人がいたら、その人に気持ちを伝えてみてください。わたしのように、甘酸っぱい青春を過ごすのも楽しいですけどね笑


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

好きになってはいけない人 @tamagobo-ro

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る