ライフライン

 ため息が出るほどに、美しい文章というのをご存知でしょうか。


作者、小余綾香さまの作品は、いつも言葉の玉手箱……。文字が宝石のようにキラキラと輝きながら、溢れて落ちていく。

真珠のまろやかな光、光、光……

手にとった……と思った瞬間に、淡く消えていく。


どの作品を読んでいても、言葉に祈りを込め、そして「言霊」というものが信じられていた、いにしえの昔が思い浮かびます。


小余綾香さまの小説は特に、神域で薪能を見ている、それが一番近い感覚なのではないかと感じます。


今回の「ライフライン」は、前半と後半に分かれています。そしてそれぞれに「上の句」と「下の句」がタイトルとしてついています。

このタイトルと内容がそれぞれを説明をしているという趣向なのかなと思います。


こんなお洒落なことってある?!


一つ、一つの言葉はほとんどしっているものなのに、小説の一行目から息を呑むほど麗しい。


風景はもとより、登場人物の佇まいの描写、関係性の空気感……


熟練の職人が織り上げた絹の布に、繊細な染の糸で刺繍を施したような作品で、私が語れば、語るほど、本質から遠ざかっていくような気がします。


天女が舞を舞っている。


それを凡人が言葉に写すのは、あまりに無理があるでしょう。


もしあなたが小説を書いていて、言い表せないものがあったときに、言葉を探しに訪れることをもおすすめします。


そしてまた「ライフライン」の優しさは、本当に辛い時期を過ぎ越した経験のある方には、救いになるものではないかとも思えます。



著者 小余綾香


「ライフライン」

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890154370/episodes/1177354054890154458#end


ほんと!好き♡


『麒麟屋の読んだ作品の本棚』の7番目の「好きすぎて辛い某書き手さん」は、実はこの方です。

麒麟屋激推しの書き手さんです。

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