第三百九十六話【有能な韓国政府(?)、それに比べて——】
「したがって我々は長期政権与党の政府が、我々日本民族に理不尽な行為ができぬよう、理論武装しておく必要がある。我々は『右翼』ないし『保守派を自称する者』と違ってあの政府の提灯持ちなどしない!」と断言をかました仏曉。
(そうか。これは〝反政府運動〟だったのか、)とかたな(刀)は自覚した。『左翼・左派・リベラル勢力から政府を守るための運動にするつもりは無い』、のだと悟ったのであった。
「——そういう意味で2023年4月7日付のKYD通信他各マスコミが報じた記事は理論武装力を格段に上げる記事であった。長期政権与党率いる日本政府の信用度がゼロである事を証明するものであったのだ」
「——にも関わらずこれが〝一大政治スキャンダル〟に発展しなかったというのは『左翼・左派・リベラル勢力』な日本人マスコミのキャンペーン報道が下手くそ過ぎるせいではないか?」
「——と言うのも〝奈良での元首相暗殺事件〟後、長期政権与党連中は『韓国発祥のカルト宗教に便宜は与えていない』などと抜かしていたが、これが真っ赤な嘘であった事を証明する記事内容であったからだ」
「——それほどの記事だったのだが、残念な事にこれは日本人マスコミのスクープとは言えない。ニュースソースがあまりにハッキリとし過ぎていたからだ。『韓国外務省』が2023年4月6日に公開した外交文書がニュースソースだからである。その文書の中身がいつ頃のものかというと〝1991年から1992年にかけて〟であった」
「——情報公開者は『韓国外務省』となっている。が、私はもちろん『韓国外務省が公開した』という解釈はしない。一官庁の一存で、しかも〝外交文書〟を公開などできるわけがない。公開する事を決定したのはどう考えても韓国政府だ」
「——2023年に唐突に公開されたおよそ30数年前の外交文書。韓国政府はいかなる文書を公開したのだろうか? その中身は次のようなものだ——」
「——時は1992年3月、その時点で『韓国発祥のカルト宗教』の教祖には、アメリカ合衆国で脱税の実刑判決を受けて服役した経歴があった。日本の『入管難民法』の規定では日本入国は禁止される事案である」
「——ところが、『韓国発祥のカルト宗教』の教祖は日本に入国できた。これはなぜか? 法務省に〝教祖を入国させるよう〟圧力をかけた政治家がいたからである」
「——当初、日本法務省は法に則り『韓国発祥のカルト宗教』の教祖の日本入国を阻止しようとした。だがそうした真っ当な方針を、邪悪な政治力を使って覆させた男がいる。それは当時の長期政権与党のナンバー2、『副総裁』の肩書きを持つ政治家だった」
「——長期政権与党の『副総裁』という肩書きを持つ大物政治家が『身元を保証する』とまで曰ったため外務省も異論を示せず、かくして教祖の日本入国は超法規的に許可されたのである」
「——この韓国政府の情報公開報道を受けた2023年4月当時の官房長官の答弁は『入国状況については、つまびらかではない』(https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/425470?display=1参照)といったゼロ回答で、実にふざけた答弁だった」
「——ただ、これは2023年になって初めて発覚した事件ではない。1992年当時の日本人マスコミにも『これは問題だ』と考えた者はいた。ここでまたもASH新聞の名が出てきてしまうが、その翌月、1992年4月にASH新聞はこの長期政権与党『副総裁』に対するインタビューを敢行。『副総裁』は『入国で便宜を図るよう法務省に掛け合った』と、自らの口で語ったのだ」
「——ところがさっきの『つまびらかではない官房長官』は、『法相の裁量的な処分である上陸特別許可を受けて上陸が認められたものと承知しており、当時の法相の判断として適切なものであったと聞いている』(https://www.yomiuri.co.jp/politics/20230406-OYT1T50229/参照)などと答弁し、法務大臣に責任を押しつけ、長期政権与党『副総裁』に累が及ばないようにしている。要するに『副総裁』がやらかしたとなるとこれは〝党の問題〟となる。つまり官房長官の答弁は〝自党を守ること〟しか眼中にないという事を示している。これはもっともっと煽りに煽って問題を長期化させる事ができた案件だった」
「——確かに、元々『韓国発祥のカルト宗教教祖・超法規的入国事件』自体は存在している事が分かっていたため、韓国外務省の情報公開について〝今さら感〟が無いわけではない。しかしだ、かつて男性アイドルグループで一世を
(こっ、こんなとこでJNY事務所が、)とかたな(刀)。
「——いったい長期政権与党とは何者だろう? 韓国発祥のカルト宗教に便宜を図った事実がありながらいけしゃあしゃとした顔で『便宜を図った事など無い』と平然と我々日本人に嘘をつく」
「——そしてこの『韓国発祥のカルト宗教教祖・超法規的入国事件』の起こった1992年3月という時期から、長期政権与党についてもう一つ決定的な事が解る」
「——奈良で暗殺された元首相が政治家に転身し衆議院議員として初当選したのは1993年6月の第40回衆院選の事なのである」
「——極めて重要なので繰り返す。『韓国発祥のカルト宗教教祖・超法規的入国事件』の起こった〝1992年3月〟に奈良で暗殺された元首相は政治家ではなかった。つまり『韓国発祥のカルト宗教』について、現首相含む長期政権与党の連中が、暗殺された元首相に、あらゆる責任を押しつけて『ハイ、お仕舞い』とはいかない。これは〝個人の問題〟ではない。日本人に対するツケを支払う義務は長期政権与党という組織そのものにある」
「——ところで、『韓国発祥のカルト宗教の教祖の、日本入国のいきさつ』を、いくら自国民絡みとは言え、どうして外国政府である韓国政府が知っていたのだろうか? それについてKYD通信記事にはこうある。『当時韓国大使館が日本外務省に非公式に問い合わせた際に得た情報』であると」
「——まるでこれは『オフレコの場』という事にしておいて取材対象を油断させ、そこで得た情報を後で約束を破り記事にするという、薄汚いマスコミとやり口が同じで、『韓国という国は、〝こちらが非公式な問い合わせに応じてあげた際の情報〟を公開するのか』、と思わなくもない。しかしそういう腹の立て方をすべきなのは日本の長期政権与党の政治家達である。だがどういう訳か特段誰も韓国に抗議もしていないようだが『真実だから抗議しようにもできないのだ』と考える他ない」
「——しかし、いったいなぜ韓国政府は〝非公式に問い合わせた結果得た情報〟を公開してしまったものか? 常識的に考えるならば『今後は一切オフレコなどに応じない!』といった類いの対応をされかねないというのに。もちろん『日本の長期政権与党が韓国にとことん舐められているのだ』と言われればそれまでだが、」
「——そんな日本政府自体も含め〝日本国内の空気〟にどっぷり浸かり続けていると〝まともな感覚〟がどんどん失われていく。『外国と外国人には配慮しなければならない』などという感性は日本国外では通じない。いったいどこの外国人が我々日本民族に配慮しているというのか? それは外国人どもから散々理不尽な『歴史攻撃』ないし『人権攻撃』を受け続けている我々日本人が一番よく知っている筈じゃあなかったのか?」
「——にも関わらず日本国内では『韓国発祥のカルト宗教』の存在とその行為が日本人の人権が侵害された案件にして日本人が歴史攻撃された案件だというのに『韓国』が忘れ去られていき、『韓国発祥のカルト宗教』の記者会見なのに、出てくるのがいつもいつも日本人である事に大衆が疑問も持たなくなっている。『左翼・左派・リベラル勢力』の日本人マスコミや政治家どもら、日本国内の上級国民どもの韓国忖度ぶりの成果がこれだ。そうした外国名を隠す対応、〝外国に対する配慮が常識〟だと思わされ続けると『外国人からの攻撃などあり得ない』という頭がお花畑のマヌケで無防備な大衆ができあがる。それがこの現代日本人である」
「——だが〝外国人からの攻撃〟はあるのだ。忘れているならこの私が思い出させてやる。かつて日本からアメリカへ輸出される日本車を巡る〝日米貿易摩擦の時代〟があった。諸君らの年齢からしてアメリカ人労働者達が日本車をたたき壊す映像に記憶のある者も多いだろう。そのさなかの1982年、アメリカ・デトロイトで『ビンセント・チン撲殺事件』なる事件が発生した」
「——『ビンセント・チン』という名の中国人、厳密には中国系アメリカ人が日本人に間違えられ白人達に殴り殺された事件だ。『デトロイト』と言えば自動車産業で有名だ。自分達アメリカ人労働者に経済的危害を加えた人間は殺してもいいという感情、この手の感情を抱く人間は実際にいる。被害者がたまたま〝本物の日本人〟ではなかったからといって忘却するのはよろしくない。特に外国や外国人に対する配慮ばかり考えている日本の上級国民どもは、な」
(さすがは『極右』をわざわざ自称するだけのことはある。この憎悪の煽り方……)とかたな(刀)は戦慄を覚える。
「——そうそう。『左翼・左派・リベラル勢力』は『複眼的に』と言うのが大好きだったのを思い出した、」と仏曉。
「——そこで私は理解増進のため、敢えて視点を韓国側に変える。そうして私は韓国政府のとった行動の裏にあるその意図について推理した。その結果はこうだ。『大韓民国という国家とその民族を外国人の攻撃から護るため』ではなかったのか、と。『韓国発祥のカルト宗教』が『韓国発祥』である事に、一番神経質になっていたのは他ならぬ韓国政府ではなかったか」
「——韓国から見て日本は外国である。『韓国発祥のカルト宗教』の行為が『外国・日本』で問題化すれば、日本人の〝憎しみ・怒り〟といった感情が大韓民国という国家や韓国人という民族そのものに向きかねない。このままでは韓国人というだけで攻撃を受けかねない、と。こうした事態が〝あり得る〟という危機意識を抱いたのが韓国政府であったと考えられる」
「——そうした可能性を潰しておくために韓国政府はもう一つ手を打っていた。2023年4月6日に韓国政府が情報公開した文書には、当時日本外務省に問い合わせた結果得た情報以外のものも含まれていた。それがどこからの情報かというと、〝韓国のとある新聞社の社長〟から。この人物の作成した〝当時の報告書〟であった」
「——方や日本の政府官庁から得た情報、方や韓国の民間企業の社長から得た情報。同時に情報公開するにしては一見つなげるのに非常に無理のありそうな〝二つの出所の情報〟。これらを関連づけているのは『韓国発祥のカルト宗教』の教祖である」
「——あらかじめ〝答え〟を言っておくと韓国政府は『アメリカ政府』と『韓国発祥のカルト宗教』を結びつけた。『アメリカを絡めておけば日本人はものが言えなくなる』というこちらの習性は向こうに完全に読まれている。〝韓国のとある新聞社の社長〟の報告書の公開にはそういう意味合いが濃厚だ」
「——ここからは〝その報告書の中身〟だ。実は『韓国発祥のカルト宗教』の教祖は日本以外の国も訪問していた。それはなんと北朝鮮である。北朝鮮訪問だ。この北朝鮮訪問は1991年11月から12月にかけての事だった」
「——『韓国発祥のカルト宗教』の教祖が北朝鮮を訪問できた。しかも『韓国発祥のカルト宗教』の教祖はただ北朝鮮に入国しただけではない。『北朝鮮の1代目・金日成』と会談しているのである!」
「——これはおかしくはないかね? 『韓国発祥のカルト宗教』は〝反共産主義団体〟を造り〝反共〟を名分として日本政府に癒着していたのだぞ。『北朝鮮の1代目・金日成』からみてこうした行動は普通〝敵対行為〟になる筈だ。本当に『反共』していたら会談など不可能の筈。『反共』の看板にまんまと騙された日本の長期政権与党は恐るべき無能集団ではないか!」
「——そして『金日成』はその会談の席で『韓国発祥のカルト宗教』の教祖に向かって『あなたはブッシュ大統領と親しい。なので私を紹介して欲しい』と、こんな発言までしていたと件の報告書にはあった。この『ブッシュ』というのは1991年、湾岸戦争を指揮した事で知られるあのアメリカ合衆国大統領だ」
「——しかしアメリカ人からしたら『アメリカで実刑判決を受けた外国人と自国の大統領が親密だ』などという〝報告書〟など簡単に『フェイクニュースだ!』と言い切れる事だろう」
「——もちろん『〝北朝鮮の1代目・金日成〟と〝韓国発祥のカルト宗教の教祖〟とのやり取り』についての証言者であるこの民間人、即ち〝韓国のとある新聞社の社長〟がどれほど信用できるのか、という問題があるからだ。しかし、だからこそ韓国政府に都合が良いとも言える。仮にアメリカ人達からの追求があっても『報告書を作成したのは民間人だ』と言って韓国政府に累が及ばないよう〝最低限の逃げ〟を打てるからだ」
「——しかし日本人目線では一概にこの情報が『フェイク』とも言えないのではないか。一見『〝韓国発祥のカルト宗教の教祖〟と〝アメリカ合衆国大統領〟が親しい間柄だ』というのは、これだけ言われると突拍子もなく聞こえる。が、少なくとも『韓国発祥のカルト宗教』がアメリカ政界のナンバー3まではコネクションがある事は、〝あの元下院議長の関係者が日本人マスコミに送りつけた写真〟で既に証明されてしまっている。ナンバー1の大統領まではあとほんの少しじゃないか」
「——このように韓国政府は『日本外務省に非公式に問い合わせて得た情報』すら公開する。そこに『アメリカ合衆国大統領が韓国発祥のカルト宗教の教祖と懇意であるとする情報』も加えて公開する。『韓国発祥のカルト宗教』への日本人の〝憎しみ・怒り〟が、じき韓国そのものへと向かうことの無いよう、『日本政府・長期政権与党の方へ向かうような情報』を流したのだ。こうしたやり口に、私は或る種の感嘆の念を覚える。私のような立場からすると『韓国とはそこまでやって自国と自国民を護るのか』と感心するのである。同じ事を長期政権与党の政権が我々にしてくれるのか、と」
「——いや、韓国などを誉めるのはやめておこう。連中の行動が並なのだ。自国民を護るためならいかなる情報戦もやり遂げるというこの行動が並なのだ。つまりこれに及ばないのなら無能である。長期政権与党の日本政府のまったくなんという無能さか! 危機管理の『危の字』もできない無能どもが我々の上に立っている!」
「——根拠はあるぞ。『日本の長期政権与党』と『韓国発祥のカルト宗教』との癒着が明らかになった直後、この『長期政権与党』の総務会長を務めていた男は『正直に言う。何が問題か、僕はよく分からない』(https://www.tokyo-np.co.jp/article/192564参照)とまで曰ったのである。『韓国発祥のカルト宗教』と政権与党が癒着していても問題を一切感じないこの脳味噌よ」
「——コイツは親が首相、祖父も首相の3代目のボンボンだった。正に藤原貴族のような奴。危機も自覚できない愚か者。さすがにこの発言で首相の逆鱗に触れ、党総務会長としての首を飛ばされたようだが、親や祖父が首相だからと要職に抜擢した首相自身もまた人を見抜く目を持たない愚物である。『長期政権与党』が奴らの中でしか通じない家柄で役職を与えているのがよく解った」
「——こんな連中では韓国に対抗などできる筈も無し。韓国に対抗するには日本政府が大韓民国政府と張り合える程度の並の能力を持っている必要がある」
「——それにだ、ただの〝無能〟でも許し難いのに、この『長期政権与党』は〝我々日本民族に対する悪意を持っている〟と断定できる材料さえある」
(え? そんな根拠が?)とかたな(刀)。
「——それは正に『韓国発祥のカルト宗教』の教義を地で
〝これは何かしらあるに違いない〟と、誰からも見える自信ありげな顔をしている。
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