第三百九十四話【アメリカの有力政治家が『韓国発祥のカルト宗教』と癒着している件】

「ところで、『韓国発祥のカルト宗教』の『信教の自由』を用いる戦術は日本民族に対する〝表からの攻撃法〟であるが、〝裏からの攻撃法〟というものもある」仏暁が奇妙な事を喋り始めた。


「——『裏からの攻撃法』などと聞けば『何事か』と思うだろうが、そこはで、我々からしたら当然予想され見知った〝戦術〟である。そして既に『韓国発祥のカルト宗教』の〝裏からの攻撃法〟は実行に移されている。この戦術は韓国人全般の常套戦術であり、『韓国発祥のカルト宗教』だけが用いるというオリジナル戦術ではない。かつて『慰安婦問題』で使われ、韓国人という異民族に大戦果をもたらした」


「——利用するのはアメリカ人。だから韓国人風に言うと『用米』という事になろうか」


「——アメリカ人と韓国人が共有できる価値観がある。これを使う。それは『日本悪玉史観』だ。つまり日本という国が絡んだ状態でしか使えない限定戦術であるものの、ここを刺激する事で韓国人はアメリカ人を簡単にマリオネットにできる」


(マリオネット、つまり操り人形?)とかたな(刀)。


「——『日本悪玉史観』でアメリカ人を焚きつけ、日本に圧力をかけさせ、アメリカの力をもって日本を韓国に服従させるという戦術が、韓国人という異民族の十八番おはこ戦術である事は周知の事実だ。まだこの手を使われて驚愕し慌てふためく日本人が、今さらながらに現存していたのなら、ソイツらを無知蒙昧と決めつけて差しつかえない。繰り返すがかつて『慰安婦問題』で使われ、韓国人という異民族に大戦果をもたらした戦術だ」


「——『韓国発祥のカルト宗教』が、どうアメリカ人をマリオネットにしたか、このケースについて具体的に指摘しよう。それは2023年12月8日の事であった。同日付の新聞各紙に奇妙な一葉の写真が掲載された。件の写真が撮られた場所は長期政権与党本部、撮られた日付は2019年10月4日だという事であった」


「——その写真には4人の男が写っている。皆若くはない。そのうち2人は『韓国発祥のカルト宗教』の関係者だがこの中に韓国人はいない。アメリカ人と日本人、1人ずつだ。この2人と一緒に写真に収まっていた残り2人の者達が大物政治家だったから新聞に載るような写真となった」


「——大物政治家のうち1人は当時長期政権与党の政調会長という要職を務めていてである。いま1人は外国の要人と言えるレベルのアメリカ人で、『』という肩書きを持っている」


「——この謎めいた写真は〝〟から日本の通信社KYD通信へ送られたものだと報じられた。通信社の配信記事ゆえ日本全国の新聞各紙に掲載されたというワケだ」


「——ところで、私はアメリカ人が韓国人のマリオネットになりやすい性質を知っている。知ってはいるが思わなかった。正直この写真の出所を知って開いた口がふさがらない。ここは強調せねばならないが、これは日本の通信社KYD通信が独力で得たスクープ写真ではない。この写真は同通信社に届いた物だ。送り付けた者がいたから同通信社は労せず写真を手にする事ができた。報道に拠れば写真の送り主は〝アメリカの元下院議長の〟なのである」


「——これには『もしかしてアメリカの政治家って途方も無いほどバカなのでは、』としか第一印象として感じなかった。なぜアメリカの元下院議長の側が『韓国発祥のカルト宗教』との癒着を隠そうともせず、事もあろうに日本の通信社にものか、と」


「——しかし敢えて〝そのバカ〟の側の立場に立ち、努めて沈思黙考し考えてみる事にした。おそらく写真の送り主はこう考えたのだろうと推察する。『日本の総理大臣が韓国発祥のカルト宗教と癒着しているぞ!』だ」


「——と言うのも一緒に写真に写っていた後の総理大臣は、『韓国発祥のカルト宗教』に対し解散命令請求を出した人物である。だから、この写真からは『よくも裏切りやがったな! 俺達と仲良くしていた事をバラしてやるぜ!』というメッセージが込められていると読み取れる。〝報復のつもり〟と考えられるのだ。ゆえに写真をKYD通信に送ったアメリカの元下院議長の関係者が〝〟にしか見えない」


「——アメリカの下院議長というのは実はアメリカ政界のナンバー3である。大統領継承順位2位ともいう。アメリカ大統領が死亡した場合、副大統領が大統領になる。今度その元副大統領が死亡した場合、下院議長がアメリカ合衆国大統領となる。これがアメリカ合衆国が定めている法的ルールなのだ。元職とは言え、そうした重職にあったアメリカ人が日本の与党政治家に面会を求めた場合、親米政権の与党がこれを門前払いできるだろうか? できるわけがない」


「——当然アメリカ元下院議長の面子を立て、後の首相となるような人物が面談に応じたとて、至極当然の事で日本側はノーダメージである」


「——ダメージがあるのは『韓国発祥のカルト宗教』の関係者を二人も引き連れてやって来た方だ。それはアメリカ元下院議長の方じゃないか!」


「——よってこの写真から我々が得られるメッセージは『韓国発祥のカルト宗教と日本の有力政治家が癒着していた』ではなく、『』である。カルト宗教の関係者を2人も引き連れて日本の長期政権与党本部に乗り込んでくるアメリカ元下院議長。わざわざカルト宗教の関係者を同伴し日本の有力政治家に会いに来たアメリカ元下院議長。いったい彼は何を考えて『韓国発祥のカルト宗教』との関係をわざわざ日本でアピールしたのだろうか?」


「——実は新聞各紙に載ったこの記事の書き方についてはがある。既にさりげなく触れてはいるが、この奇怪な写真の出所は『元米下院議長の』だ。つまりアメリカ元下院議長本人の提供ではない」


「——そこで今一度私は努めて沈思黙考し考えてみる事にした」


「——そして得られた結論はこうだ。このアメリカ元下院議長の傍に『韓国発祥のカルト宗教』のスパイが紛れ込んでいる公算が極めて大である。『韓国発祥のカルト宗教』についての諸問題がで、同カルト宗教との癒着を現す証拠写真を日本の通信社に送りつけ、わざわざ物的証拠を日本人に渡す行為には、アメリカ元下院議長本人の立場では利益どころか損失しかない。だからこのアメリカ元下院議長の傍に『韓国発祥のカルト宗教』が送り込んだスパイがいるのでは? と考察した次第なのである」


「——我々は日韓関係にアメリカの政治家が首を突っ込んできた際、もはや韓国側のスパイの存在を疑わなければならない」


 仏曉は手元のファイルに目を落とす。

「——アメリカの下院と聞いて思い当たるのは2007年アメリカ政界で吹き荒れた〝慰安婦排日キャンペーン〟である。2007年6月26日には外交委員会に於いて、いわゆる『慰安婦問題』について、日本政府に対し謝罪を求める決議案が採決された。そしておよそ一ヶ月後の2007年7月30日にはダメ押しするかのように本会議でも『慰安婦対日非難決議』が採択されている。これらの決議は別に彼らが〝人権意識が高いから〟というワケではない。があったのなら『米軍慰安婦問題』についても同様の決議をしていた筈だからである。しかし『米軍慰安婦問題』の方には無いのだ。アメリカ下院には何かがある」


「——これらは典型的な『日本悪玉史観』そのもので、アメリカ合衆国下院は『韓国発祥のカルト宗教』と価値観を共有していると言える。そうした曰く付きの集団がアメリカ下院なのだ。アメリカ下院には何かがある。そこの下院議長だった者が『韓国発祥のカルト宗教』と密接な関係を築いていたというのは〝追求事案〟である。もちろん追求するのはアメリカの政治家だ。現に〝元〟とは言えアメリカの有力政治家が『韓国発祥のカルト宗教』との関係性をアピールしてきているのだ」


「——なぜにここでアメリカを強調するのか? それは韓国人の常套戦術でもあり、『韓国発祥のカルト宗教』も使う十八番戦術を潰さねば、アメリカの外圧によって『韓国発祥のカルト宗教』を日本社会に根づかせたまま枯らせない事になるからだ。アメリカ人政治家どもが『日本政府の動きは信教の自由の観点から問題だ。日本での動きを注視している』とかいかにも言い出しそうじゃないか」


「——そこで本気で日本から『韓国発祥のカルト宗教』を駆逐しようと考えたのなら、アメリカ人どもの外圧にどう対処するかという算段をつけておかねばならない。そのために『アメリカ人政治家は完全な韓国人のマリオネットである』くらいはあらかじめ言っておくべきだろう。アメリカの政治家が下らぬ外圧をかけてこられないよう牽制球を投げまくっておく必要がある」


「——その際、2007年にアメリカ下院の政治家どもが『米軍慰安婦問題』についてなんらの非難決議をもが日本人にとってとなる」


「——そしてアメリカ人政治家にはただこう言ってやればいい。『アメリカの議員がカルト宗教と結びついている!』、と。根拠はアメリカ元下院議長サン陣営の提供してくれた写真だ。これをわざわざアメリカ元下院議長サンが日本のマスコミに提供してくれたというのが動かぬ証拠なのだ。もはや証拠写真は日本全国の新聞に掲載されてしまった後だ。今さら言い訳などで逃げられないぞ。そしてアメリカ人の政治家が肯定しようと否定しようと、どちらの回答でも日本人は損はしない」


「——アメリカ人政治家どもが『結びついている事』を正当化し始めたら『カルト宗教との癒着を認めたぞ!』と言ってやればいい」


「——『韓国の宗教はカルトではない』と言い出したら『アメリカの政治家がカルト宗教の代弁者と成り果てた』と言ってやればいい」


「——今度は『結びついていない』と否定し始めたら『アメリカの政治家、韓国のカルト宗教を裏切る』と言ってやればいい。これで『韓国発祥のカルト宗教』とアメリカの政治家の連携は無残に断ち切られ、残るのは〝恨み〟のみだ。教祖は韓国人、根は韓国人、なにせ〝ハンの国〟で有名だからな」


「——まあ『米軍慰安婦問題』の追及もろくにできない臆病者の韓国人なる異民族が、アメリカ人相手にどこまでできるかは別問題だが、ヤツらの性質からして〝恨み〟という感情だけは間違いなく心に深く刻み込まれる事だろう」


「——アメリカの政治家が『韓国発祥のカルト宗教』の側に付くのかどうか、訊いてやるのは面白い事だ。どういう態度になるか。腹立ち紛れに本心をぶちまけるか、歯ぎしりしながら嘘をつくか、あるいはアメリカ人なのに反論もせずに黙り込むか。言ったろう。人間は頭に血が上った時にその正体が解るものだと」


 しかし、ここで考え込むような仕草をとる仏曉。

「——とは言え、アメリカ人政治家を動けぬようにしたとてこれは『韓国発祥のカルト宗教』を窮地に追い込むだけの手段に過ぎず、本格的な退治にはほど遠い。ここで私の十八番、イジメ問題解決戦術が使える。イジメグループの絆を破砕し、互いに疑い憎しみ合うように仕向け裏切りを惹起せしめ、仲間同士で殺意に近い感情を持たせる。『韓国発祥のカルト宗教』の始末は


(この人本当にこの手を使ってきたんだ、)かたな(刀)は初めて『伝説の教師』の手段を目の当たりにしている、と実感した。

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