第三百九十一話【『韓尊日卑』】
「これについて公共放送が実に良い仕事をした。2022年10月2日、日本の公共放送は『暗殺された元首相と韓国発祥のカルト宗教』をテーマにした特集番組を放送した。『韓国発祥のカルト宗教』の教祖の『御言葉選集』なる書籍の中からこんな一節を引用した。それは『日本は帝国主義時代に韓国から占領したものをすべて返して罪を償うべきだ』ということばであった」
「——これぞ正に『ザ・韓国人の歴史観』そのものではないか!」仏暁、拳を突き上げる。
「——普通宗教の教祖ともなれば後々の事も考え、ありがたく聞こえて尚且つどうとでも解釈できるような言葉を心がけるものである。が、そこは直情径行の韓国人という異民族。『マルディーニの頭を故意に蹴った』と口に出してしまうのと同じ事をやらかす。『日本は帝国主義時代に韓国から占領したものをすべて返して罪を償うべきだ』と、具体的にここまで固有名詞含みで言ってしまったら、もう解釈でごまかせるレベルを超えている」
「——また同番組内では『韓国発祥のカルト宗教』の、韓国本部に所属していた関係者の証言も紹介されていた。その証言とは『献金額が多ければ多いほど先祖の罪は早く精算してもらえます』というものであった」
「——どう考えてもこの人物の言う『先祖の罪』とは、『昔日本が韓国を植民地支配した罪』以外に解釈のしようがない!」
「——その後も日本の公共放送は『韓国発祥のカルト宗教』の正体に切り込む迫真のジャーナリズム魂を見せてくれた。2023年7月9日放送の特集番組内では教祖の妻にして教祖亡き後の『韓国発祥のカルト宗教』のトップの〝生々しい本音〟を電波に乗せてくれた」
「——その『韓国発祥のカルト宗教』の女トップが何と言っていたか、それを紹介しよう。『韓国発祥のカルト宗教』の女トップは日本の教団幹部を韓国に呼びつけこう言った。『日本は第二次世界大戦の戦犯国家なんだ。罪を犯した国だよ』などと」
「——これまた正に『ザ・韓国人の歴史観』ではないか!」
ここでやや間を開ける仏暁。
「——さて、ここで私は〝違和感〟を感じた。『韓国発祥のカルト宗教』の教義が『男尊女卑』ならば、なぜ女がトップなどやっているのだ?」
(あ、)とかたな(刀)。
「——となれば『男尊女卑』を教義としている事すら実はカムフラージュである可能性が高くなってくる。そこはローマ教皇と同じように『男』でなければならないのではないか?」
「——この私の言いっぷりから既に察しはついているだろうが、一応断りを入れておく。別に『韓国発祥のカルト宗教は男尊女卑ではない』と言って褒め称えているわけではないぞ。『男尊女卑という教義』すらカムフラージュではないかと疑っている。では『韓国発祥のカルト宗教』の真の教義はなにか? 『韓尊日卑』ではないのかと、そう言っているのだ!」
(『かんそんにっぴ』?)かたな(刀)にとっては聞いた事も無いことばであった。それは場内の聴衆もまた同じくで「いまなんて言った?」としきりとお互いに確認し合っている状態。
「申し訳ない。私が言った『カンソンニッピ』とは私が勝手に考えた四字熟語で、『韓国を尊び日本を卑しむ』という意味だ」と仏暁が注釈を入れた。
(つまり文字にすれば『韓尊日卑』か、)と漢字を頭の中に思い描くかたな(刀)。
「——『韓国発祥のカルト宗教』の定義する『女』とは日本という存在そのものだから、『韓国人の女』がトップに立つ分に於いては〝何らの問題も無い〟という事なのだろう」
「——『韓国発祥のカルト宗教』の教義が実は『韓尊日卑』であるという根拠はこれだけではない。奴ら『韓国発祥のカルト宗教』の主催者一味が韓国本国で行う一大イベントがある。それは『合同結婚式』なるイベントだ。教団が大量に一方的に強制的にカップルを作り上げ『お前はこの者を生涯の伴侶とし結婚せよ』と決めてしまうのである。そうしたカップルが大会場に一堂に会し結婚式を執り行うから『合同結婚式』などと、『合同』とついている」
(あっ、それ映像で見たことある)とかたな(刀)。
「——問題はそのカップルの組み合わせだ。その強制的に作り上げられたカップルの大部分が『韓国人の男・日本人の女』という組み合わせなのだ。この組み合わせで強制的に結婚させるのである」
「——つまり実態がこうである以上『女は男に尽くさねばならない』などという教義は、事実上『日本人(女)は、韓国人(男)に尽くさねばならない』に置き換わっているのである」
「——だが中に『牽強付会だ!』とイチャモンをつけてくる韓国びいきがいるかもしれない。そこで一つ思考実験をしてみた。男女を逆に、『日本人の男・韓国人の女』の組み合わせで結婚させた場合を考えたのだ。こういう組み合わせの場合『韓国発祥のカルト宗教』としては宗教的に致命的な
「——真に『男尊女卑』が教義になっているのならだ、『日本人の男・韓国人の女』の組み合わせでの結婚は、〝韓国人が日本人に尽くさねばならない〟という事になる。しかし『韓国発祥のカルト宗教』の教祖は『日本は帝国主義時代に韓国から占領したものをすべて返して罪を償うべきだ』と言っている。これで韓国人が日本人に尽くしたらおかしな話しにならないかね?」
(あっ、そうか! そうだよね、)とここで合点がいったかたな(刀)。『男尊女卑』という教義すらも嘘だという仏暁の理屈が今解った。
「——だからこそ私は『韓尊日卑』こそが真の教義であると見切ったのだ。恐るべき事にこの『韓国発祥のカルト宗教』はおそらく世界で唯一、民族差別を宗教化した存在なのだ」仏暁は断言した。
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