第三百八十九話【『共産主義』と『韓国発祥のカルト宗教』】

「『韓国発祥のカルト宗教』の教祖は、彼らの宗教内では『イエス・キリスト』の生まれ変わり、という事になっている。したがってベースにあるのは間違いなく『キリスト教』だ」仏暁は言った。


「——『イエス・キリスト』の事を英語圏では『ジーザス・クライスト』と言うらしいが、この『ジーザス!』には〝こんちくしょう!〟という意味があるらしい。『信仰する宗教を冒涜された』として過激な行動に奔るイスラム教徒をあまり見習うべきではないのかもしれないが、〝自称キリストの生まれ変わり〟に対しては『ジーザス!』くらいは言ってやるべきだろうな、アメリカ人もその他のキリスト教徒達も。まあその自称男はもうこの世にいないわけだが」


 場内から苦笑が漏れ出る。かたな(刀)からすれば(宗教をネタにこんな話しをしていいの?)状態である。


「——ではその教義とはいかなるものか? むかっ腹が立つが一応連中目線の主張にも触れておこうと思う。『韓国発祥のカルト宗教』の関連団体は『反共』、即ち『反共産主義』をアピールしている。これが日本の長期政権与党の政治家達にとって『この外国発祥のカルト宗教と結びついてもいいんだ』という名分となってきた」


「——しかし、いかなる宗教であれ『反共産主義』が〝宗教の教義〟となる事は。なぜなら宗教は神の存在を前提としているからだ。『共産主義』のが『財産の私有を否定し全ての財産を共有することによって平等な理想社会を造るという思想』である以上、『神』がこれに対抗し否定してしまったら、『神』が財産の独占や寡占を容認し不平等極まりない格差社会を認め、そうして貧乏な大衆に対しては『現世で貧乏で不幸でもあの世へ行けば天国さ』とか抜かす途方も無い悪党になってしまう。そうなってしまったら誰が『神』など信仰するかね? 共産主義は現世利益を語るのだ。これに対し『あの世へ行けば幸せになる』などと抜かす『神』はペテン師になるしかない」


「——だから或る意味私は『韓国発祥のカルト宗教』の運営方には感心するのだ。『反共』を宗教上の教義とせず、『』とした事についてだ。むしろ日本の『左翼・左派・リベラル勢力』の方が〝宗教〟を理解する頭を持ち合わせていないのかもしれない。コイツらは韓国をどうにかして庇うことしか頭になさそうだから『韓国発祥のアノ宗教のです』などとリアルに言いかねない」


「——つまり、『韓国発祥のカルト宗教』の教義は。民放のワイドショー番組がその教義に肉薄していた。それは『男尊女卑という価値観をキリスト教用語を使って宗教的に正当化したもの』、というものである」

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