第百十回 これって、運命の出会い?
――いつの間にか、眠っていた。
椅子から滑り落ち、背後にあるお布団、背中からの着地を維持した状態。……PCは起動したまま、部屋の明かりも灯ったまま、お臍までチラリ。……ええっと、オープンしたままのカーテンだけど、しっかりと朝焼け! 夏と変わらず健在だ。
針刻む音、トランスフォーメーションする玩具の時計。だけれど、時を正確に刻む。
――超も超朝型! 現在は、四時十二分。
小学生の頃からお馴染みの、お勉強の机。
その上には、輝くバンプラ。六十分の一スケールの量産型だ。色は緑、特徴は宇宙服を再現したような動力パイプで、頭部、胴部、脚部……と、全六か所。
一つ目小僧みたいなモノアイが特徴。――そうなの。このバンプラこそが、僕をプラモ道へ導いたバンプラ。初めてお目にかかったバンプラなのだ。そうだね、そうそう四年前か、これも。ちょうどコンクールが開催されていた頃だ。今となっては、もう常連客の僕だけど、この頃はパパと初めて訪れた。――ショーケースに堂々と飾られ、自己主張の塊みたいなオーラ―、また満載な存在感。プレートには、
それが、出会い。
バンプラとの、また、未来さんとの。
今は共同戦線。……だけど、少し悶々とする。未来さんはまだ、
瑞希先生を大好きなのは、僕だから。
マリさんがいるのに、それはないよっ。……だからだ! だからこその共同戦線。瑞希先生に似ているお母さん、未来さんのお母さんに、未来さんを合わせるために、その未来さんのために、僕は優勝してあげる。『令和初・
そしてPC画面、
僕は、出会ってしまったらしい。――運命の出来事、その人に……。
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