第五章 物思う秋。よし、青春物語を創ろう!

第百八回 転校生と、この回数分の鐘の音に。


 ――単に、百八回だから? それは、きっと違うね。



 煩悩はあるものの、それを、少しだけでも洗い流す、石鹸&シャワー。その後にこの場所を訪れる。別名は僕の書斎。カエルのTシャツは必須アイテム。そこでのPCの起動は欠かせられない。僕はペンで書かず打つ。連打連打で打つ。


 例えるならば、可奈かなのマシンガントーク。

 それに匹敵……いやいやいや! 対抗できるよう打って打って打ちまくる!


 KBキーボードはそのことを物語る。

 煩悩の数を承知の上で、『りかのじかん』も第百八回を迎えた。



 ……でも、でもね、大丈夫だったでしょ? 君はきっと手に汗握る緊張と、頭の中でエンドロールする思い出。不安でしかない今日の出来事。顔色も悪く、寝不足。


 ――僕は、一目でそう思った。


 教室でのこと……その一部始終が、自分の席から見た千佳の様子。

 教壇の上、瑞希みずき先生と一緒に立つ、立っている。


 BB黒板をバックに、ツーショット写真が撮れそうなくらい。準備は整う。一連の紹介および説明。伏線込みの千佳ちかの取説。そのことだった。……瑞希先生が振る。自己紹介はこの子の役目、定番なのだと。すると「……です」と、壊れそうに小さな声。


 ミュートは免れたけど、


 多分、聞こえていない。もう一度、もう一度トライするのだ。――と、願う。心を師としないで、心の師になる。獅子奮迅に祈りを込める。やはり物語は現場で起きている。



 文章化は、第五章。PCにも掲載している。

 もとい、声が小さくでも、この室内。心配する僕の傍らに置いてある。


星野ほしの千佳です。よろしくお願いします」と、聞こえるように挨拶した。



 

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