第五十八回 今回が報告? 前回はどちらかといえば大団円?


 ――きっと、今回が報告だ!



 報連相は大事。少人数でも多人数でも関係なく大事なことだ。


 前回は、サプライズもあり『大団円』という言葉が相応しいのでは? と、興奮止まぬままに自室で、このエッセイを今日も綴る。……そう、伝えなければならないこと。


 警察のメスが入り、店を閉めている『学園街の喫茶店』こと、『海里マリン』は、明日よりまた開店する。同じくマリさんと未来みらいさんは、また二人一緒にアルバイトする。



 ――二人一緒に。……また、二人一緒に。


「どうしたの?」

 と、声をかけられハッとした。慌てて振り向くと、声の主は瑞希みずき先生……。


 ここはまだ、前回から引き続きサプライズ中、芸術棟の三階。まだ二十四日なの。長い一日の途上にあり……僕は、僕はね、想像するとね、想像するに、きっとね、


「あのっ、マリさんと未来さんは恋仲ラブラブなんでしょうか?」

 起立! というイメージ満載な恰好で、……やっちゃった。訊いちゃった。


「実にストレートで良い質問ね。興味ある?」


 わわっ、また顔近い。


「わ、わかりません! ぼ、僕にはまだ早いと思うのです!」

 って、何言っているのだろう? おまけにクスッと笑いながら瑞希先生は、


「関係ないよ、年齢の早い遅いは。それに年齢の差も……」と、いうことは(あと性別も愛があったら関係ないの?)と思おうとしたら、まだ続きがあって「未来君もね、実はそうだったんだよ。ちゃんと、あの伝説の大樹の下で、わたしにね……」と、言いかけたところで「おいおいミズッチ、梨花りかちゃんに変なこと吹き込むなよ」と、未来さんは顔を真っ赤っかにしながらも口を挟み、僕と瑞希先生の間に割り込んだ。


 ――火花を散らす僕の目。ここでも未来さんは、僕のライバルだ。



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