第五十九回 色んな意味でライバル……かな?


 結局は長い一日、八月二十四日は……でも、でもでも、もう大団円は終わった。


 僕は一人マイルーム。

 PCに向かってKBキーボードをカタカタ……弾く。ピンクのNPCノートパソコンだけど、打ち込み用に無線のKBを備え付けている。略字なのは文字数節約のため。毎エピソードが四十×三十が一枚で、僕にとっては文字数が足りない。しかしそれは定めルール。自ら決めたことなのだ。



 川合かわい未来みらいさんは僕の思った通り、早坂はやさか海里かいりさんことマリさんと恋仲ラブラブ。……証言者は存在する。今、応援コメントが届いた相手。Mさんこと、平田ひらた瑞希みずき先生なのだ。


 しかし、未来さんは瑞希先生と、


 ……あのね、只ならぬ関係のようだ。生徒と先生の禁断の恋? なら今でも? でもでも勝算はある。生徒でも卒業しちゃっているから、頭に元がつく。常時そばにいるのは僕の方。元が頭につかない生徒。つまり現役の生徒だ。それに異性ではなく同性。自分のことを「僕」と言っても女の子。……性別を超え、


 たとえ同性でも、未来さんのように瑞希先生に対して恋心抱く。――それが百合。


 それでもいい。

 唇奪われても、可奈かなの時のように僕はもう泣かない。


 そう望んでいるから。……あなたに対しては、それだけではない。モデラーという部分に対しても。ジャンルまで一緒。戦艦、戦車などのミリタリーではなく、宇宙服を着たような感じのリアルロボットの『バンプラ』というジャンル。今よりもそれよりも、もっと早く出会えていたのなら、もっともっと別の出会いがあったのなら、あなたはきっと僕の先生、または師匠と名乗れていたのだろう。――いやいや、やはり定めなのだ。


梨花りかちゃんも出展したんだね、『千里せんりプラモデルコンクール』」

 と、あなた……未来さんが言うから、僕もね、


「負けないよ、未来さん」と、ハイタッチ! 明日そのプラモデル、つまり出店している『バンプラ』を見に行く予定だ。一人ではなく可奈も千佳ちかも三人で。



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