第五十二回 翌日に持ち越し。または次回へ続く。


 ――今日の昼一、瑞希みずき先生に報連相した結果により、そうなった。

 それは僕と同じ『ボクッ娘』で、僕とクリソツの星野ほしの千佳ちかのこと。



 今日も無事に帰宅、夜を迎える。明日の『最後の審判』を控えながらも、筆を執るのと同じ思いに立ちPCを起動、キーボードを弾く。描くのは、この回をもって四クールを終える『りかのじかん』……一クール十三回の四倍だ。TVでは一年の放送回数と匹敵。


 まあ、それはそれとして、


 全力で楽しく執筆。その後も全力で、パパと一緒に楽しく模型プラモデル作り。――ふむふむ、充実感満載だ。そんな青春の一ページに、八月二十四日を目指した演劇部の活動が加わる。



 明けない夜はない。明ける夜、布団の中で目覚める。


 緊張感を通り越し、ごく普通の朝になって、いつものようにアットホーム。パパと、ママに見送られながら、お家を出る。途中で可奈と落ち合う。ともに出陣……というか、ごく普通の登校。いやいやいや、それよりも夏休みならではのフリースタイルな登校だ。


 つまり制服ではなく普段着。

 登校というスタイルも崩したのだ。楽しいクラブ活動を目指している。


 可奈かなと二人、学園に着くと、


「おはようございます」

 と、おしとやかな声。――こう見えても、この子は僕お同じ『ボクッ娘』だ。


 可奈が何と言おうが、星野善一ぜんいち刑事も一緒だけど、


「千佳ちゃん、来てくれたんだね」


「うん、梨花りかちゃん」


 ……そう。もう昨日となった昼一、瑞希先生が下した最後の審判とは、千佳ちゃんが今日、来てくれるかどうかだった。――来てくれたなら僕は、ニッコリ全開で「君も今日からは、僕らの仲間♪」と、彼女を包み込むように、ウェルカムしてあげるのだ。



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