第五十一回 ボクッ娘が二人?
――疑問符を取り除き、
私……と、自分のことを言おうとしたけど無理なようで、僕のことを貴方と言っていたけど、いつの間にか君になっている。……きっと典型的なボクッ娘で、僕と同じ。
あの日あの場所で、この子の写真を見て、見せられて、
僕と少し似ている。あくまで少しだけ……そう思いたかったけれど、それは音を立てつつ内部から崩壊した。なぜなら傍らにいるマリさんも、
「ホントそっくり。あなたたち双子?」
という始末だ。
あとは刑事さんも含む『
今この場で明らかになったこと、星野刑事の視点からは、僕も千佳ちゃんも姪っ子にあたるそうだ。じゃあ、僕と千佳ちゃんは、星野刑事も含め遠い親戚ということだ。
千佳ちゃんは言った。
「梨花ちゃん、まだ怒ってるのなら、ぶん殴ってもいいんだよ。パシリでも舎弟でも、玩具になっても、君の気が済むのならそれでもいい。僕は君に何かしてあげたいの」
――正直、迷った。
「梨花、この子が泣くまで思いっ切りぶん殴っちゃいなよ。忘れてないでしょ? この子のせいで、あなたは大泣きするほど怖い思いしたんだから」
と、可奈は言うけれど、……千佳ちゃんの眉は下がって、
「ごめんね、僕、僕……」
と、とうとう泣き出してしまった。
ホント困った。キョロキョロと可奈の顔、マリさんの顔色を窺う。序でに星野刑事も。
「ね、ねえ、僕と一緒にお昼食べよっ、それから一緒に舞台立とっ、僕から
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