第三十七回 一撃必殺!
――僕は苦手だ。必ず一度お試し、三度目で勝負だ。……
ベンチから立ち上がり、隣にいた
……駆ける。涙を拭くのも忘れて。
それどころか込み上げてくる。――あなたの胸に飛び込んだ。
「僕、僕……」と言葉にならず、ひたすら号泣だ。瑞希先生は、そんな僕をそっと、温かく抱き留めてくれた。「怖い思いさせてごめんね……」と一言。優しくそう言った。
「
それと便乗して、望月刑事も一緒になって頭を下げた。続けてチョンチョン……またはクイクイッと、僕のワンピースの裾を引っ張るのを感じた。グスッと、そちらの方を向いたら、小さな子がググッと顔を上げていて、……僕の顔を見て、
「わらお、ないちゃかなしいよ」
と、眉を下げて、そう言った。
「
「うん、はやく、げんきげんき」
「もうすぐ泣き止むからね、パパのとこ行っといで」
「うん!」
元気いっぱいな返事、瑞希先生のお子様で女の子みたいに見えるけど、楓太君という男の子。そのそばには楓太君のパパ。つまり瑞希先生のマイハズバンドの姿が――。
カッコいい! と思いながらも「瑞希、大丈夫か?」と、僕より瑞希先生。そりゃそうか。「うん大丈夫、明日はバッチリ検察庁へ行くから」と、ニッコリと瑞希先生。
その上に、輝けるVサインも追加した。
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