第七回 ……ゆえに七不思議。


 ――第六回が七夕になったがために、この回を『七不思議』と題した。



 それでもって急だから、


「ちょっとお! 今何時だと思ってるの?」


 という具合に目を覚まして、「♪大きなノッポの……」とはいかなけど、小さくミニな金色の時計。……これは、ロボット君へトランスフォーメーションを成し遂げる玩具おもちゃだけど、ちゃんとした時計だ。金色といっても、プラにメッキがほどこされている。


 いつかの……午前二時。


 遮光の役目を担っている桃色のアコーディオンカーテンを、効果音ありきで開き、ビッグなウインドウ越しに、外の様子を見る。そして見えるものは……。


 ――ビッグなシティ。


 てなわけはなく、向かい側の建物。


 まだ部屋の明かりが幾つか灯っている。遅くまで起きている人口は結構多いようだ。



 今、身に着けているカエルのTシャツのように、

 かえるの鳴き声が似合いそうな公営住宅の建物。……少々雨模様の、カントリーな情景。


 浮かぶものは、やや強引気味だが、

 学園ものでよくある『学校の七不思議』……例えば、そうねえ。

 ……う~む


 やはりイニシャルMさんについて。


 わかっていること、二十九歳。一児の母。僕と同じようにボブで、身長百五十センチのぽっちゃりさん。……『カクヨム』のエッセイ作家だけれど、学園の先生。担当の科目は国語。――そうなのです。中等部一年二組。僕たちの担任の先生なのです。


 そして、担当のクラブは演劇部。

 そこの女子部員が、僕のお友達。『カクヨム』の読専のイニシャルKさんだ。



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