第14話 まさかのお泊まりです。 3
今はお昼休み。お弁当を食べた後。
旧家庭科室に面している廊下に、私たち三人は居た。
「で、何の話?めっちゃ気になるんですけど~?」
「うんうん。なーんか今日一日照ちゃん落ち着きなかったもん。まあ、いつもないけど」
……莉央が藤和君化してる気がする。
確かに、お泊まりのことが頭から離れずに、授業にあまり集中出来なかったっていうのはあるかもしれないけれど。
旧家庭科室の近くは人気が全くないので、秘密の話をするのに最適。
他の人に聞かれちゃまずいからね。もし聞かれたら、光に怒られてしまう。
心の準備をして、二人にお泊まりのことを打ち明ける。
「……えっとね、実は今日、光とお泊まりすることになって……それを言いに、ここに来てもらったの。他の人に、聞かれたくないじゃない?だから……」
………あれ。
二人が石像みたいに固まってしまっている。
相当驚いたみたい。
でも大丈夫よ二人とも。私も驚いてるから。
でも、早く理由があることを告げねば……
「これには理由があってね。互いのお母さんが旅行に行くから───」
「照ちゃん!!!」
「照葉!!!」
「「チャンスだよ!!!」」
いきなり、飛びかかって来そうな勢いでズイッと身を乗り出してくる二人。
目を爛々と輝かせて……この子たち。息もぴったりだし。正直ちょっと怖い。
「チャンスって何よ。一緒にご飯食べて別々でお風呂入って別々の部屋で寝るだけじゃない」
「でも!!何か!何か無いの!?」
「無い」
強がろうとする私。必死な二人。
この二人、きっと恋バナに飢えているのね。
でも、提供してあげられる恋バナなんてないのよ……?
「「楽しみにしてるからね」」
怖い。
「
「言い切っちゃっていいんですか?中澤君も中二の男子だよ~?」
「……っ!」
分かっている。
光も男子なんだってことは、ちゃんと分かっている。
でも、光が私に対してそんな感情を抱いているかと聞かれたら、それは無いと思う。
だから泊まることも光は了承したのだと思う。
絶対にそうだと自分の中で結論を出す。
「よし!教室に帰りましょ!」
「「やだ!」」
ええ……この子たち、息もぴったりだし私のことすごい目で見てくるし何もう怖い……
「ねぇ彩ちゃん」
「なあに莉央」
「ここは私たち二人が照ちゃんと光君ラブラブ大作戦を立てるべきだと思いませんか」
「乗った」
ええ……彩ちゃん……間髪入れずに莉央の意味不明な作戦に乗りました。冷静なクールキャラどこ行ったよ。
そして私は二人の計画を、昼休み終了のチャイムが鳴るまでずっと聞かされました。
𖧷園田 照葉 の 日常𖧷 @miniomrice
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