玲編 親不孝
新暦〇〇三五年十一月十日
子供が親より先に逝くのは、親不孝だという。
だが俺は、そうは感じていない。こんな世界に俺の勝手で生み出した子の生涯を見届けられたことは、むしろ確実に幸いだった。
でも……
でも、寂しいな……切ないな……我が子を見送るというのは……
安心するのと同時に、やっぱり悲しいよ……
だが、
そして、
「……」
ただ黙って目を伏せて、そのまま
むしろ、実の息子の
また、このところまったく触れる機会がなかった
さらに、
そして
<最近になって頻繁に顔を見せるようになっただけの叔母>
だったわけで、それでいい。
そんな家族の様子を見ていると、俺自身、気がまぎれるというのもある。娘の死にばかり構っていられないというのも事実だ。
それに、
加えて、
<巣立った子が生んだ孫>
なんてほぼ他人だし、下手すりゃ襲われたっておかしくない。
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