玲編 データの積み重ね
そうして今日も自分を納得させつつ、マッハが捕らえた
ちなみに、アクシーズは、マンティアンなどと違って<水浴び>はそれほど頻繁にはしない。羽が濡れると具合が悪いからだろう。代わりに、ネコのような感じで毛繕いをする。そう、ネコのような印象があるんだ。木の枝に体を預けて、びっくりするくらい柔らかい体で、さらにビックリするくらい長い舌でペロペロと自分の体についた汚れを舐め取っていく。主に獲物の血だが。
この時の姿が
それでも、やっぱり
とまあ、
さらに、今度はアリニドラニ村に映像を切り替えてみる。
アリニドラニ村では、現在、鉄を作るための高炉が稼働中だ。今なお品質は十八世紀頃のレベルではありつつ、以前に比べると確かに向上している。ボーキサイト鉱床やスカルン鉱床が見付かったことでそちらに重点も置きつつ、ドーベルマンMPMを使って石炭の試掘も始めたことで、いろいろと上手く回り始めそうな予感はある。
ただしその一方で、調子に乗ってやり過ぎるとせっかくのこの環境を破壊してしまいかねないので、
かつての地球では、そういったデータの積み重ねがなかったことで無秩序無計画な濫用が横行し大きな問題を引き起こしたりもしたが、せっかくそういう前例があってデータも残ってるんだから、当然、活かしていかなきゃおかしいだろう。
『資源は無限じゃない』
それは事実だ。そして壊した環境は二度と完全に元には戻らない。新たな環境として定着していくことはあってもな。
だからこそ地球人は、地球以外の惑星にも手をつけていったんだ。
最初は資源を手に入れるために。それから地球人が住める環境を作り上げて。さらに外宇宙に出て、地球以外にも生物が多く存在する惑星を発見して狂喜し、生物資源の利用も始めた上にテラフォーミングを行って移住したものの、その際、無数の貴重な生物が永久に失われたとも言う。
地球人は、自分達の母星である地球でやらかしたことを繰り返してしまったんだ。しかしそれを反省し、現在では、生物が存在しつつもテラフォーミングを行わなければ地球人が住めるようにはならない惑星は原則保護され、ほぼ生物が存在しない、それでいて地球に近い大きさの惑星をテラフォーミングすることで移住するという形になってる。
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